出版社内容情報
バッハ最晩年の最高傑作「フーガの技法」のピアノ独奏版。現代ピアノでの演奏のために大譜表にし、入念に研究した運指を加えた。
バッハ最晩年の作曲で、ポリフォニー作品の最高傑作とされる「フーガの技法」のピアノ独奏版。楽器指定がなく一声部一段の「オープンスコア」で書かれているため、従来はアンサンブルで演奏されることが多かったが、20世紀後半から独奏鍵盤楽器のために書かれた作品と再認識されるようになり、現在ではピアニストも数多く演奏している。本書は現代ピアノでの演奏を想定して楽譜を大譜表にし、この複雑な構造を独奏で表現できるように、編者が長年にわたり入念に研究した運指を加えた。バッハが主題に凝らした多彩な技巧──反行・転回・拡大・縮小・分解・装飾的変化を、自分の手で音に実現していく作業の面白さは無類。演奏会の新たなレパートリーとして、また作曲や理論の学習用として、多方向に活用できる楽譜だ。
[曲目]
コントラプンクトゥス 1
コントラプンクトゥス 2
コントラプンクトゥス 3
コントラプンクトゥス 4
コントラプンクトゥス 5
コントラプンクトゥス 6
コントラプンクトゥス 7
コントラプンクトゥス 8
コントラプンクトゥス 9
コントラプンクトゥス 10
コントラプンクトゥス 11
コントラプンクトゥス 12 基本形
コントラプンクトゥス 12 転回形
コントラプンクトゥス 13 基本形
コントラプンクトゥス 13 転回形
コントラプンクトゥス 14
8度のカノン
3度の転回対位法による10度のカノン
5度の転回対位法による12度のカノン
【著者紹介】
編・運指:東京藝術大学、同大学院およびポーランド国立ワルシャワ高等音楽院大学院に学ぶ。1968年大学卒業記念演奏会でデビュー。国内外におけるソロ・リサイタルや室内楽、協奏曲などの演奏活動のほか、1990年『レッスンの友』誌に「楽譜をどう読むか」、1992年「ピアノ弾きの基礎知識」連載。1992年および1995年『ムジカノーヴァ』誌に「マズルカの謎」「マズルカの指導のために」やポーランド語文献の翻訳など寄稿。1999年より同誌に演奏会批評執筆中。また、これまで数多くのコンクールの審査員歴任。武蔵野音楽大学教授。