内容説明
アメリカが一番輝いていた時代、そこにはいつもジャズがあった―スイング・ジャズで踊り狂った30年代。第二次大戦の激化と破壊、米ソ冷戦の不安と焦燥から生まれたビ・バップとクール・ジャズ。ハリウッドの隆盛とウエスト・コースト・ジャズ。黒人たちが自信を誇示したハード・バップ。内外に鬱積したいらだちを過激に表現したフリー・ジャズ…。音楽と格闘し、アメリカの世紀を生きたアーティストたちの、激しい生き方を語る。
目次
第1章 ジャズの誕生からスイング時代まで
第2章 1940年代のジャズ・シーン―ビ・バップ革命からクール・ジャズへの発展
第3章 1950年代のジャズ・シーン―ウエスト・コースト・ジャズの勃興とハード・バップの隆盛
第4章 1960年代のジャズ・シーン―モード手法の確立とニュー・ジャズの台頭
第5章 1970年代以降から現在までのジャズ・シーン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こきよ
61
大半はいわゆるモダンジャズについての記述なのは致し方なしか。ジャズの通史を改めて見直してみると多くの革新的なプレイヤーを若くして失ってきたのが分かる。クリフォード・ブラウン、スコット・ラファロ、リー・モーガン、そしてコルトレーン。彼等を失わなければその後のシーンがどの様に変遷していったのだろうか…2015/09/27
サトル
0
ビ・バップ革命に始まるモダンジャズからハード・バップを中心にした黄金時代までの流れが当時のアメリカの社会事情とともにコンパクトにまとめられ、時代と共に変容して来たジャズという奥深く幅広い音楽分野の醍醐味を伝えている。こうして見ると高々40年ほどのジャズ史の中で1940年代から70年代まで幾人ものジャズの巨星が現れ消えて行ったが、時代はクロスオーバーの登場となってそれから40年のジャズは何だったのか。世間ではダイバーシティとサスティナブルな社会が叫ばれる現代、ジャズは人類文化の殿堂へお蔵入りしたのだろうか。2021/08/14