出版社内容情報
空前の研究調査でその生涯の謎に迫り、残された全555曲のチェンバロソナタの分析を通して、その全体像を初めて明らかにした。
原著者が亡くなる直前の1983年の最終改訂版に依拠した全面新訳であり、原書では巻末にまとめられていた追加と訂正も、本文の該当箇所に挿入した。ドメニコ・スカルラッティは、近代的な鍵盤奏法の確立者としてその名を知られているが、その生涯は多くの謎に包まれていた。本書では、空前の研究調査でその謎に迫るとともに、残された全555曲のチェンバロソナタの分析を通して、その全体像を初めて明らかにしている。資料的価値が高く、カークパトリック番号・ロンゴ番号両方から見たソナタ一覧表や、スカルラッティの家系図も付いている。ドメニコ・スカルラッティはバッハ、ヘンデルと同じ1685年生まれであり、今年は生誕333年の記念祭も行われている。
I 幼年時代
II 若き鷲
III 父からの遺産
IV 教会と劇場
V リスボンの総大司教区
VI スペインの風景
VII 音楽狂の治世
VIII 王家のソナタ
IX スカルラッティのハープシコード
X スカルラッティの和声
XI スカルラッティ・ソナタの解剖
XII スカルラッティ・ソナタの演奏
付 録
I スカルラッティ家
II ドメニコ・スカルラッティとその子孫に関する文書
III 楽器に関する文書
IV スカルラッティの装飾法
V 鍵盤作品
VI 声楽作品
VII その他の作品
図版
参考文献
作品目録への覚書
スカルラッティ・ソナタの目録,主要資料一覧
ロンゴ版の順序によるソナタの一覧表
スカルラッティの家系図
カークパトリック ラルフ[カークパトリック ラルフ]
著・文・その他
原田 宏司[ハラダ ヒロシ]
監修
門野 良典[カドノ リョウスケ]
翻訳
内容説明
バッハ、ヘンデルと同じ1685年生まれのドメニコ・スカルラッティは、近代的な鍵盤奏法の確立者としてその名を知られていたが、20世紀半ばまでその生涯は謎に包まれていた。本書は、空前の研究調査でその謎に迫り、残された全555曲のチェンバロソナタの分析を通してその全体像を初めて明らかにした、カークパトリック畢生の歴史的名著。
目次
幼年時代
若き鷲
父からの遺産
教会と劇場
リスボンの総大司教区
スペインの風景
音楽狂の治世
王家のソナタ
スカルラッティのハープシコード
スカルラッティの和声
スカルラッティ・ソナタの解剖
スカルラッティ・ソナタの演奏
著者等紹介
原田宏司[ハラダヒロシ]
1939年広島生まれ。東京芸術大学音楽学部楽理科卒業後、同大学院修士課程修了。専門は西洋バロック音楽史。特にドメニコ・スカルラッティを主要テーマとする。文部省在外研究員として欧米に滞在中、スカルラッティ研究者のL.シェヴェロフ、M.ボイド、橋本英二らの諸氏から指導を受ける。スカルラッティの鍵盤ソナタ資料の比較研究では、古典文献学で用いるテクスト批判の方法を用い、謎の多い初期作品の成立過程の解明に取り組んだ。著書、論文、訳書多数。広島で室内合奏団を組織し、チェンバロ奏者としても活躍。2002年に広島大学を定年退職後、広島文化学園大学教授、同学芸学部長、同副学長を歴任し、現在、広島文化学園大学大学院特任教授、広島大学名誉教授
門野良典[カドノリョウスケ]
1958年福岡市生まれ。1982年東京大学理学部物理学科卒、1985年同大学大学院博士課程中退。1987年理学博士。現在、国立大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所教授、総合研究大学院大学教授を併任。専門は量子ビームを用いた物性物理学研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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