内容説明
芸術が花開いたベルエポックのパリに燦然と輝く作曲家ラヴェル。最新の研究成果を踏まえながら歴史のなかにその生涯を置き直し、数々の傑作曲誕生の軌跡をたどった決定版伝記!
目次
生涯篇(少年時代(一八七五~一八八九)
パリ音楽院時代(一八八九~一九〇〇)
ローマ賞コンクールの内と外で(一九〇〇~一九〇五)
新進作曲家としての活躍(一九〇五~一九〇九)
前衛音楽の旗手として(一九〇九~一九一四)
第一次世界大戦とラヴェル(一九一四~一九一八)
新しい潮流の中で(一九一八~一九二二)
円熟への道(一九二二~一九二七)
二つの協奏曲と晩年(一九二八~一九三七))
作品篇
資料篇
著者等紹介
井上さつき[イノウエサツキ]
愛知県立芸術大学音楽学部教授。慶應義塾大学、東京藝術大学、明治学院大学などで非常勤講師をつとめる。東京藝術大学大学院修了。論文博士。パリ・ソルボンヌ大学修士課程修了。専門は近代フランス音楽史と日本の洋楽器受容史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
M.O.
18
ラヴェルの人生と曲ができた背景が年代を追って書かれてあり分かりやすい。当然小さい頃から才能はあったのだがパリ音楽院に入ってから結構苦労続き。コンクールでは有力者に疎まれていたので優勝にはどうしても手が届かない、しかしフランス社交界はラヴェルの力を知っていたので賞を取れない事が事件扱いに。それも凄い。 1910年代にはそうそうたる顔ぶれの様々な分野の芸術家と交流があり、その中で影響受け合いながら繊細でモダンな曲が生まれた。最後は認知症の様な病気で長年苦労しタクシー事故がきっかけで亡くなる。寂しい最期だ。2021/04/29
Totchang
7
図書館で本書を取ったのは、佐藤彦大の演奏会でムソログスキー「展覧会の絵」を聴き、勘違いして管弦楽版が先だと思っていたから。「ボレロ」ももともとバレエ音楽として作曲されたとは!私には知らないことだらけだ。更にBSテレ東のエンター・ザ・ミュージックの「ダフニスとクロエ」の解説を視聴するに至って、改めてラヴェルってすごいなと感じた。本書はそれらの音楽作品をどう紡いでいったのかを丁寧に解説している。2022/05/24
小内
0
大好きなラヴェルのことをもっと知りたいと思って読んでみた。曲が作られた経緯だったり、ラヴェルの人となりがわかるエピソードがあったり、おもしろかった。2024/01/25
newhavana
0
17.5センチ×12センチの少し大きめの新書。300ページ。巻末に人名索引、ラヴェル年譜、作品一覧、献呈先一覧、主要参考文献付き。ラヴェルは全作品の通し番号は作られていないようだ。前半190ページが評伝、続く60ページが作品解説で、作品解説のほうが活字が小さい。白黒写真を適時掲載。評伝なので伝記のように起承転結を考慮した書き方ではないが、第一次世界大戦から最晩年に身を削るように傑作を連作してゆく描写が感動的だった。一人の芸術家の一生と19世紀後半から第二次世界大戦前までの欧州史が綾なす情緒も楽しめた。2024/09/27
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