内容説明
ベルリン・フィルのティンパニー奏者テーリヒェンが語る、フルトヴェングラーの、カラヤンの芸術、そしてベルリン・フィルの内幕と歴史。
目次
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
ヘルベルト・フォン・カラヤン
フルトヴェングラーとカラヤン
ベルリン・フィルハルモニー・オーケストラ
支配人たち
音楽学生たち
危機へ至る道
大危機
その後
ヘルベルト・フォン・カラヤン財団の国際指揮者コンクール
ベルリン・フィルのオーケストラ・アカデミー
即興演奏
私のカラヤン作品
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sumioh Watanabe
1
フルトヴェングラーの偉大さや功績を否定するものではないが、今、録音で聴くことのできる演奏は状態が悪く、音楽に浸るとより「こんな音だったんだろうか?」と想像することに労力を費やする。 逆にカラヤンは同時代の録音でも、素晴らしい音で残っている。これは、彼に録音技術に合わせて「音響」をコントロールする能力が備わっていたからだ。 いわばフルトヴェングラーは「ドイツ観念論の人」であり、カラヤンは「ノイエ・ザハリヒ・カイト(新即物主義)」の人なので、そこがわからないとこの両者を正当に評価はできないだろう。 2018/03/05
tsuyok
0
カラヤンとフルトヴェングラーのイメージを逆にしてくれる本。ただ、証言の本も出てるので、それも必読。2010/10/04
H. Yuko
0
東京に「フルトヴェングラー研究会管弦楽団」と言うアマオケがあり、そこでこの本の著者でもあり、ベルリンフィル首席打楽器奏者を35年間も勤めたテーリヒェン作曲「あと四十日」と言う曲に参加させて頂いたのが、この本を読むきっかけとなりました。 カラヤン時代に学生オケでバリバリ吹いていた人達と、アバド時代以降からオケを学び始めた人達では明らかに演奏スタイルが違うのがずっと謎だったので、この本を読んで納得出来た気がしました。 何故、アバド氏が選ばれたのか、音楽を学ぶ上で読んでおきたい貴重な一冊だと思います。 2022/01/23