内容説明
満洲の大地に帝政ロシアが築いた植民都市・ハルビン。日本のオーケストラ史は、この地の音楽家の力を借りて幕を開けた。そして「満洲国」の時代、オーケストラは文化国家建設の象徴となり、パトロン・甘粕正彦と関東軍の庇護の下、李香蘭、山田耕筰、朝比奈隆、巌本真理などによって彩られていく―。近代日本音楽史の「空白」を一気に埋める、渾身のドキュメント。
目次
序章 朝比奈隆・50年ぶりのハルビン行
第1章 音楽の都ができるまで
第2章 建国前夜
第3章 「ハルビン交響楽団」誕生す
第4章 「満洲国」の威信にかけて
第5章 国家体制のただ中へ
第6章 建国10周年
第7章 落日の輝き
第8章 オーケストラは国境を越えた
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
87
満州にあったオーケストラの物語である。 満州をめぐるロシア・中国との攻防の 裏で、ハルビンという街が日本の音楽史に果たした役割が 雄壮に描かれる。 あまり語られなかった満州の文化史… 名前だけは知っている先人たちの 活動が蘇って楽しい、そんな作品だった。2023/03/26
くりまんじゅう
0
満州国国歌は、四季のミュージカル「李香蘭」の美しいメロディでは無いか!流石、三木たかしさん。ロシアーハルピンー日本というルートで日本のオーケストラ音楽が発展したとは知らなかった。小澤征爾の楽譜の話が印象に残った。あの時代が確かに、存在したという事。小澤征爾、加藤登紀子など、私でも知っている音楽家が満州と繋がっており、(特に朝比奈隆) 、何故だか、自分があの時代の満州にいる気分にさせてくれる。音楽は時代も越えるからだろうか。満州国では無いけれど、音楽を通じて色んな民族が仲良くなって欲しい。2019/04/07
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