出版社内容情報
共産主義体制下のソ連を生き抜いたロシアの大指揮者ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(1931~2018)が、稀代の映像作家ブリュノ・モンサンジョンを相手に、ソ連時代の音楽教育、劇場やコンサートの理不尽な運営・管理システム、そして芸術家たちが置かれた過酷で不条理な状況について赤裸々に語った衝撃の証言集。モンサンジョンは、ロジェストヴェンスキーによって語られた言葉を素材に複数の映像作品を制作したが、その驚くべき内容を“文献”による書籍として残すべく、より詳細かつ克明に再構成、まさに「歴史の証言」として真に後世に語り継がれるべき書物が誕生した。その語り口は、怒りと苦悩に満ちつつユーモアとペーソスに溢れ、ショスタコーヴィチやロストロポーヴィチとの交流、官僚からの弾圧や嫌がらせ、それらを阻止するための手口などが――彼の指揮棒さながら――極めて生々しく、かつ鮮やかに語られる。東西をしたたかに往還した巨匠指揮者が見た驚愕のドキュメント。
内容説明
東西をしたたかに往還した巨匠指揮者、衝撃の情報公開。恐怖の独裁者は楽譜に何をした?芸術家をプロパガンダの道具にした奴は誰だ?監視・弾圧・密告・粛清…翻弄される音楽家たち。共産主義体制下の不条理と、水面下の抵抗を鮮やかに語る歴史ドキュメント。
目次
指揮者???!!!
遙かなる思い出
ボリショイ劇場でのデビュー
リゾート地で
社会主義リアリズムのドクトリン
外国デビュー
出国ヴィザ
村祭り
共産党
随伴者たち
関わってはならない人々
ユダヤ人の物語
前代未聞の任命
トリオ・ソナタ
90日
ダヴィド・オイストラフのこと
批評
興行主たち
レパートリー
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチについて
悲喜劇的な三つのエピソード
ティホン・フレンニコフとソ連作曲家同盟
モスクワのストラヴィンスキー
人、そして作曲家としてのドミトリー・ショスタコーヴィッチ
セルゲイ・プロコフィエフ
エピローグ
著者等紹介
モンサンジョン,ブリュノ[モンサンジョン,ブリュノ] [Monsaingeon,Bruno]
1943年12月5日生まれ。フランスの映像作家、作家、ヴァイオリニスト。グールド、リヒテル、オイストラフ、アンデルシェフスキ、メニューイン、ソコロフ、ロジェストヴェンスキー、マケラら、伝説的な音楽家たちのドキュメンタリー映画を多数制作。フランスにおけるグールド紹介の第一人者としても知られる
船越清佳[フナコシサヤカ]
岡山市出身。京都市立堀川音楽高校卒業後渡仏。リヨン国立高等音楽院ピアノ科卒。長年ヨーロッパと日本で演奏活動を行ない、近年はライターとして『音楽の友』『レコード芸術』『ムジカノーヴァ』『ショパン』誌等に定期的に寄稿。執筆活動と並行してパリ郊外の公立音楽院で後進の指導にも力を注ぎ、コンクールの審査にも携わっている。CDはオクタヴィアレコード(Exton)より3枚リリースされている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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