バロックとその前後の鍵盤音楽の運指法―便利で合理的な弾き方を演奏実践に生かす

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  • サイズ A5判/ページ数 329p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784276140318
  • NDC分類 763
  • Cコード C1073

出版社内容情報

バロック時代独特の運指法について、当時の理論書の記述を提示しつつ、オルガン奏者である著者が具体的に解説したもの。バロック鍵盤楽器を演奏する人にとって、必携の一冊です。

第1部ではドイツ、スペイン、イギリス、イタリア、フランス各国の教本・理論書の記述を時代別に紹介。J.S.バッハ、F.クープラン、ラモー、D.スカルラッティ、C.P.E.バッハ、マールプルク、テュルクなどが実践した指使いを検証します。
第2部では、各指の使用法や手の位置、アーティキュレーションを指使い、並進行、装飾音など演奏実践に即した項目別に開設。膨大な資料から要点をまとめ、実際の楽曲を含む譜例を多数掲載して、現代の奏者が演奏にいかせるように目配りが行き届いています。

R.カークパトリックの直弟子であり、シンシナティ大学名誉教授の橋本英二氏による、好評既刊『バロックから初期古典派までの音楽の奏法』に続く書き下ろし。著者の専門領域である運指法についての待望の解説書です。

第1部 文献の検討
 第1章 バロックの運指法の意義と特徴
 第2章 16世紀から17世紀前半にかけて
 第3章 17世紀半ばから18世紀前半にかけて
 第4章 18世紀の後半

第2部 バロック運指法の考察と応用
 第5章 パッセージ奏法
 第6章 各指の適切な使用法
 第7章 手の位置
 第8章 アーティキュレーションと指使い
 第9章 片手で並進行を弾く指使い
 第10章 装飾音の指使い
 第11章 手の交差
 第12章 指の置き換えと同一音の打ち返し
 第13章 反復進行での指使い
 第14章 バロック音楽の暗譜演奏について
 第15章 運指法の実例

追記
参考文献
索引

【著者紹介】
東京芸術大学音楽学部オルガン科卒業後、アメリカでR.カークパトリックに学ぶ。D.スカルラッティの楽譜の校訂などでも知られるオルガン、チェンバロ奏者。シンシナティ大学名誉教授。著書に『バロックから初期古典派までの音楽の奏法―当時の演奏習慣を知り、正しい解釈をするために』(音楽之友社、2005年)がある。

内容説明

16世紀後半から18世紀末までの文献を参考にして現代の奏者にわかりやすく伝える。モダン楽器・ピリオド楽器の別を問わず、鍵盤楽器奏者必携!理論から実践までが1冊に。

目次

第1部 文献の検討(バロックの運指法を学ぶ際役に立つ知識;16世紀から17世紀前半にかけて;17世紀後半から18世紀前半にかけて;18世紀の後半)
第2部 バロック運指法の考察と応用(パッセージ奏法;各指の適切な使用法;手の位置;アーティキュレーションと指使い;片手で並進行を弾く指使い;装飾音の指使い;手の交差;指の置き換えと打ち返し;反復進行での指使い;バロック音楽の暗譜演奏の練習について;運指法の実例)

著者等紹介

橋本英二[ハシモトエイジ]
1931年東京生まれ。1954年東京芸術大学音楽学部オルガン科を卒業。翌年同専攻科を修了。1956年にフルブライト留学生として渡米、シカゴ大学大学院で作曲と音楽学を学び、ついでイェール大学音楽学校ではパープシコードを専攻して、両校から修士号を得た。1964年に帰国して桐朋学園音大でハープシコードを教えたが、東京でのリサイタルがもとでフランス政府から招かれて、1966年にパリに向かい国立図書館で研究を重ねた。その後アメリカを経由して帰国する予定で、ニューヨーク、ボストン、ワシントン首府、シカゴなどで演奏会を催し、シンシナティ大学音楽学校でも弾いたところArtist‐in‐Residenceとしてハープシコード科設置の依頼を受けた。よって1968年からシンシナティ大で教える傍ら、日、米各地はもとより世界20数カ国で多忙な演奏活動を続けてきた。1978年と1981年の東京でのリサイタルは2度とも文化庁の芸術祭優秀賞を受けた。国際交流基金の海外派遣演奏家として、またアメリカのNational Endowment for the Artsの援助による演奏や放送なども重ねた。1998年にはシンシナティ大学よりDistinguished Professorの称号を授与され、同年にロックフェラー財団からの招待でイタリア北部のベラジョでD.スカルラッティの作品出版の仕事をした。2001年にシンシナティ大学名誉教授になったが、引き続き演奏と研究を続けて、2005年には『バロックから初期古典派までの音楽の奏法』が音楽之友社から出版された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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