内容説明
民族の音はいかにして芸術音楽へと昇華したか。中世から現代までをカバーするチェコ音楽史の決定版!スメタナ、ドヴォジャーク、ヤナーチェクといった大作曲家たちが、民族の血と西洋的な芸術文化のあいだで、いかに「みずからの音」を獲得していったかが、細かく跡づけられる。ヨーロッパ小民族の側から西洋音楽史を逆照射する。
目次
第1部 「伝統」の時代―チェコ音楽におけるフォークロア受容の揺籃期(チェコ民俗の音楽の源流;15世紀から18世紀までのチェコの音楽とその民族的諸相)
第2部 「意識化」の時代―「チェコ国民音楽」の樹立に向けて(19世紀「ナショナリズム(民族主義)の音楽」の萌芽
B.スメタナと「チェコ近代音楽」
A.ドヴォジャークと「スラヴの音楽」
20世紀前半における「チェコ国民音楽」の樹立とその理念)
第3部 新たなる「意識化」の波―「ナショナリズムの音楽」の質的変容(チェコ音楽におけるモラヴィアの方向;「モラヴィアの音楽」の新しい波)
エピローグ 民族的精神の表象としての「チェコ音楽」
著者等紹介
内藤久子[ナイトウヒサコ]
香川県生まれ。1996年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程(芸術学専攻音楽学)修了。文学博士(大阪大学)。1983年~1985年までチェコスロヴァキア政府給費留学生として現ブルノ・マサリク大学にて音楽学を学ぶ。現在、鳥取大学教育地域科学部(人間文化課程芸術表現講座)助教授。音楽学・西洋音楽史
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