出版社内容情報
作曲家アルノルト・シェーンベルク(1874-1951)が1891年から1907年5月までに文通した、300もの手紙を英訳した書簡集の日本語版。新ウィーン楽派を形成し、表現主義、無調、十二音技法を牽引、今もなお現代音楽やポップカルチャーに影響を与えつづける音楽史上最大の風雲児の素顔とは――
本書には、アルマ・マーラーやグスタフ・マーラー、リヒャルト・シュトラウス、ツェムリンスキー、ブゾーニ、ベルク、ウェーベルン、作家カール・クラウスをはじめ世紀末ウィーンの大芸術家との手紙を多数収録。またシェーンベルクの初期作品《浄夜》や《グレの歌》、《ペレアスとメリザンド》、弦楽四重奏曲第1番、さらにツェムリンスキー《人魚姫》の作曲背景を知ることができる。楽譜商との応酬、赤裸々な恋愛模様、当時の衣食住についての記述も興味深い。
シェーンベルク研究者の執念、ここに結実。19世紀末から20世紀初頭にかけての、ウィーン楽壇の動向が鮮やかに浮かび上がる。
内容説明
作曲家シェーンベルクの“新ウィーン楽派”前夜。“世紀末ウィーン”楽壇の動向が、三〇〇通を超える往復書簡によって甦る。
目次
1 一八九九年までの手紙
2 一九〇〇~一九〇一年の手紙
3 一九〇二年の手紙
4 一九〇三年の手紙
5 一九〇四年の手紙
6 一九〇五年の手紙
7 一九〇六年の手紙
8 一九〇七年五月までの手紙
日付の特定が不可能な手紙
著者等紹介
ハイモ,イーサン[ハイモ,イーサン] [Haimo,Ethan]
バル=イラン大学教授
ファイスト,ザビーン[ファイスト,ザビーン] [Feisst,Sabine]
アリゾナ州立大学教授。主な論文に、Der Begriff“Improvisation”in der neuen Musik(1997)、Schoenberg’s New World:The American Years(2011)などがある。後者はアメリカ音楽学会ローウェンス賞を受賞
佐野旭司[サノアキツグ]
青山学院大学文学部卒業。東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程および博士後期課程修了。博士(音楽学)。東京藝術大学音楽学部教育研究助手、同非常勤講師を務めたのち、オーストリア学術交流局(OeAD)ポストドクター研究員として約2年間ウィーンに滞在。主な研究領域は世紀転換期ウィーンの音楽史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
松本直哉