出版社内容情報
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番の、シェンカーによる批判校訂版(楽譜)と詳細な作品分析。研究者にも演奏家にも有益。
本書は、シェンカーによるベートーヴェンの後期のピアノ・ソナタ第32番 op.111の批判校訂版、作品理解のための詳細な手引き等からなる。
同校訂版は、当時それまでに刊行されていた校訂版と異なり、作曲者と直接かかわりのある資料を参照しつつ、随所で的確な判断を下している。しかも、作曲者の指示と校訂者の解釈が楽譜上で明確に区別されている点で、ビューローやリーマンの実用版とは大きく袂を分かつ。
手引きは、作品の構造に関する注釈や具体的な演奏指南、他の版への批判を含む。判断の根拠や思考の過程を示しながら展開される作品分析は、目前でシェンカーの講義を受けているような印象を読む者に与える。研究者はもちろん、演奏家にとって裨益するところ大と言えよう。
推薦のことば
日本語版のための凡例
シェンカーの用語集
楽譜資料
SONATE Op.111〔シェンカー批判校訂版〕
第1楽章
第2楽章
シェンカー批判校訂版に関する訳者による注
序
手引きへの序言
手引き
第1楽章
第2楽章
文献
シェンカーの略歴
シェンカーの著作一覧
解題
訳者あとがき
【著者紹介】
オーストリアの音楽理論家(1868-1935)。彼の理論は、その弟子たちによってアメリカに広まり、「シェンカー風分析」として今日なお大きな影響力を有している。『ベートーヴェンの第9交響曲』(音楽之友社既刊)の分析には、指揮者のフルトヴェングラーが感銘を受けている。そのほかのおもな著者に『和声学』『対位法』『自由作法』『ベートーヴェンの第5交響曲の分析』などがある。
目次
SONATE Op.111(シェンカー批判校訂版)
序
手引きへの序言
手引き
文献
著者等紹介
山田三香[ヤマダミカ]
東京都生まれ。ドイツ在住のピアニスト。桐朋学園大学、愛知県立芸術大学大学院を経て、トロッシンゲン国立音楽大学ソリスト・コース卒業。ザーレム・インターナショナル・カレッジのピアノ教師。現代曲・室内楽曲を中心とした演奏活動は日本、ヨーロッパ各国に及ぶ。共演した複数のCDはエコー・クラシック賞(ドイツ)、レパートリィー賞(フランス)を受賞した
西田紘子[ニシダヒロコ]
千葉県生まれ。九州大学大学院芸術工学研究院助教。ロータリー財団奨学金を得て2005年より2年間、ウィーン国立音楽大学博士課程で音楽理論・美学を学ぶ。2009年、東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程(音楽学専攻)修了。博士(音楽学)
沼口隆[ヌマグチタカシ]
東京都生まれ。国立音楽大学准教授。東京藝術大学、同大学院修士課程を経て、博士後期課程を単位取得退学。ドルトムント大学博士課程修了。博士(音楽学)。2002~06年、ドイツ学術交流会(DAAD)奨学生。2010年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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