内容説明
暗記のための音楽史よ、さらば!本書は、17の視座(17の章)を通して音楽史の意味を問い、実際の作品理解により、その生きた姿を浮き彫りにする。写真・譜例・図表も多数掲載。
目次
プレリュード 「音楽」とは何か?―ムーシケーが語るもの
第1部 音楽と思想―「わたし」探しの歴史の旅
第2部 音楽と諸芸術
第3部 音楽と社会
第4部 音楽史の原理
ポストリュード モダニズムとポストモダニズムの相克―歴史的発展の原理
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobi
43
これ音楽史?と思うほど多彩な論を展開。「時代の変動をトータルに捉える視点」と楽曲や絵画等作品分析が緊密に結びつき、ルネサンスから近現代までの音楽思想芸術文化が鮮やかに浮かび上がる。世界的名著では。ルネサンス:官能的なまでに奔放なイタリアと禁欲的なまでに峻厳なドイツの間に架ける橋、バロック音楽:宗教的なスタイルと世俗的なスタイルの分離、ロマン主義:フランス革命後の幻滅と不安に満ちた時代、魔笛:大衆性と芸術性の至高の一致、ショパンのノクターン:最後不吉な和音に、ブルース:集団から切り離された個人の「あえぎ」…2025/03/25
らら
2
予想より、かなり面白かった! その当時の思想や社会や芸術とあわせて考えることで、背景がよくわかり、それぞれの音楽が現れた必然性を感じた。音楽のみを追っていく音楽史よりも、スッと頭に入る。これを知っていると、今後の音楽史や音楽の構造などの本を読む時に深まりが出そう。2016/01/25
えみ
1
西洋音楽と思想や哲学との結びつきが分かるのと、思想の反映として各時代の音楽が紹介されており、その文脈で楽曲分析を試みているのが新鮮で良い。世界史然り哲学史詳しく知らないマン(わたしです)向けに簡単だけど説明がなされているので、西洋音楽史さえ知っていれば楽しく読める。2025/02/15
やました
1
音楽史の流れは分かっている前提という感じ。音楽と他のジャンルをつなげて話が展開されるので、他ジャンルへの興味を持てた。 2019/04/04