出版社内容情報
教員養成校の2年間のカリキュラムで「ドレミで歌える子どもの歌は、誰でも伴奏が弾ける!」のモットーを実現する画期的メソッド。
保育専門学校では卒業と同時に保育士資格が得られるが、在学中は約半年に及ぶ現場実習が必修で、講義や実技は実質1年半(3セメスター)しか確保できないという。学生は幼少期にピアノを学んでいなかったり、中断していたり、ほとんどピアノが弾けない状態で入学してくることが多い。また、高校で音楽を履修していない場合は、楽典の基礎事項が十分身に付いていないことも多い。著者はそういう学生の現状に接しながら、長年にわたり音楽理論やピアノ、歌唱を教え、学生が理解しやすくマスターしやすい、現場での応用・展開力も兼ね備えた指導法を研究してきた。著者の方法論の根幹は、音楽のしくみを相対的なものと絶対的なものに分け、習得順序の合理性を徹底することにある。子どもの歌の多くは、シンプルな長音階のなかで、それを支える基本的なカデンツの上に成り立っている。本書の序章、第1章は、子どもの歌を歌詞で歌い、階名で歌い、その階名唱に合うカデンツを探すことに徹する。第2章で初めて音名が導入され、五線譜と鍵盤を一致させ、第1章で学んだ長音階とカデンツが、さまざまな調で成り立つことを体感する。第3章は子どもの歌に見られる、基本的なカデンツを取り上げ、さまざまな調でのピアノ伴奏を学ぶ。第3章までの徹底した機能和声の理解の上に、第4章で初めてコードネームを取り上げ、コードネームを各調固有の機能和声として捉え直す。第5章は子どもの歌に登場するコードネームのヴァリエーションに触れ、借用和音についても繰り返し学ぶ。“ゆれ”の考え方にもとづいたユニークな「カデンツ・ボード」の図示や、書き込み式の本文レイアウトも「歌って、弾いて、書いてわかる」学習法に寄与している。付録では、オリジナルの両手伴奏を片手伴奏(メロディが右手に含まれるアレンジ)に変換する方法や、少ないながらも存在する短調の曲に対する伴奏についてもフォローする。本書で取り上げる曲は、むすんでひらいて、メリーさんのひつじ、おかたづけの歌、おかえりのうた、子ぎつね、みつばちのマーチ、しあわせなら手をたたこう、せんせいとおともだち、南の島のハメハメハ大王、あたまであくしゅ、私はポットです、とんとんとんとんひげじいさん、やまごやいっけん、ひとりの手、大きな栗の木の下で、コロコロたまご、ドキドキドン!一年生、ヤッホッホ夏休み、やまのワルツ、ぼくのミックスジュース、にんげんっていいな、大きな歌、たなばたさま、クラリネットをこわしちゃった、うれしいひなまつり、ヤンチャリカ。
はじめに
序 章 知っている曲を、ドレミで歌うことから始めましょう
プレレッスン1 メロデイーをドレミで歌って、右手で弾きましょう プレレッスン2 左手で和音を弾きながら、歌いましょう
プレレッスン3 拍と拍子を理解して、両手で弾きましょう
第1章 「歌える曲は弾ける!」を目指して、音階や和音について学びましょう
レッスン1 音階と音度
レッスン2 和音の基本形と転回形
レッスン3 ゆれの構造とカデンツ(1)
レッスン4 ゆれの構造とカデンツ(2)
レッスン5 カデンツの声部とバスライン
第2章 音名を用いて五線譜と鍵盤を一致させ、調について学びましょう
レッスン6 音名と譜表
レッスン7 半音による音程の区別
レッスン8 長音階という音の並び
レッスン9 さまざまな調の長音階
レッスン10 調号と五度圏
レッスン11 音楽のしくみと調
第3章 基本的なカデンツで作られている、子どもの歌の伴奏を考えましょう
レッスン12 ?T―?X―?Tのカデンツ
レッスン13 ?T―?W―?T―?X―?Tのカデンツ
レッスン14 ?T―?X7―?Tのカデンツ
レッスン15 ?T―?W―?T―?X7―?Tのカデンツ
レッスン16 ?T―?U―?X7―?T―?W―?Tのカデンツ
第4章 コードネームを学んで、コードネーム奏をしましょう
レッスン17 和音の構造とコードネーム
レッスン18 さまざまな調の音階音度上の和音とコードネーム
レッスン19 コードネーム奏をしましょう
レッスン20 ?T、?W、?X、?X7のカデンツによるコードネーム奏
レッスン21 ?U、?V、?Yを含むカデンツによるコードネーム奏
第5章 子どものうたに出てくるさまざまなコードを学びましょう
レッスン22 音階音度上のコードネームと借用和音
レッスン23 音階音度上にないさまざまなコード
レッスン24 転調する曲の和音分析.
レッスン25 借用和音を使いこなす
レッスン26 借用和音のある曲のコードネーム奏
付 録
1.音名・和音・調名の表記一覧
2.両手伴奏を片手伴奏に直す
3.短調の曲の考え方
あとがき
索引引
【著者紹介】
国立音大楽理科を卒業後、東京藝大大学院を修了した島岡譲門下。長く國學院大學幼児教育専門学校(2年課程)で教鞭を執り、この4月からは東京福祉大学に着任予定。
目次
序章 知っている曲をドレミで歌うことから始めましょう
第1章 「歌える曲は弾ける!」を目指して、音階や和音について学びましょう
第2章 音名を用いて五線譜と鍵盤を一致させ、調について学びましょう
第3章 基本的なカデンツで作られている、子どもの歌の伴奏を考えましょう
第4章 コードネームを学んで、コードネーム奏をしましょう
第5章 子どもの歌に出てくる、さまざまなコードを学びましょう
著者等紹介
二宮紀子[ニノミヤノリコ]
東京生まれ。国立音楽大学楽理科卒業。東京芸術大学大学院音楽研究科修士課程音楽学専攻修了。元國學院大學幼児教育専門学校専任教員、國學院大學人間開発学部初等教育学科、子ども支援学科兼任講師。現在、東京福祉大学社会福祉学部保育児童学科専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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