内容説明
「太平洋戦争はポエニ戦争になる」、1934年、トインビーは日本の民族的自殺・敗北を預言した。「日本切腹・中国介錯」論者・胡適の対米外交は成功したか?いま明かされる暫定協定放棄とハル・ノート手交の裏側。「真珠湾」への中・日・米の外交戦。なぜ戦後米国は蒋介石を見捨たのか。
目次
序―はじめに
第1章 家庭と少年期
第2章 中国「文芸復興」の旗手
第3章 満洲事変・華北事変と胡適―『独立評論』の政治論
第4章 「日本切腹・中国介錯」論―胡適の抗日戦争論
第5章 駐米大使 胡適の「真珠湾への道」―日米「太平洋戦争」への望み
第6章 日米「暫定協定案」はなぜ放棄されたか
第7章 戦中・戦後の胡適―ニューヨーク・北平・上海・ニューヨーク・台湾
結論―その遺産
著者等紹介
佐藤公彦[サトウキミヒコ]
1949年生まれ。東京外国語大学名誉教授。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。中国近代史・東アジア国際関係史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
21
日米開戦の端緒となる「ハル・ノート」が手交される前に、日米の「暫定協定案」が放棄されるが、その流れを作り出した当時の中華民国駐米大使・胡適の果たした役割については、日本ではあまり研究がされてこなかったようだ。中国の対米外交は蒋介石と、蒋介石がアメリカに送り込んだ宋子文が表面に出やすく、胡適が全米各地で講演し、日本の中国侵略を非難し、米国が国際秩序を守る行動を取るよう訴えてきたことは歴史研究上でも等閑視されてきたのだろうか。学者としての胡適の目から見た中国現代史の考察は読み応えがあった。2023/08/12
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