内容説明
フランス南部オート=ザルプ県を中心的な研究対象地に定めつつ、災害対策のための荒廃山岳地の植林事業と地域住民の牧野利用との相克の中から生み出されてくるフィックスト・ゲームとしての市場競争への駆動を検出。
目次
序章 課題と構成
第1章 オート=ザルプ県における山岳地の荒廃と植林の提言
第2章 山岳地の植林に関する法における受益=費用の不一致と軋轢の火種
第3章 オート=ザルプ県における牧野住民の反対と法改正要求の嚆矢
第4章 山岳地の草地化に関する法の成立の意義と限界
第5章 オート=ザルプ県における植林事業の成果と受容の動き
第6章 オート=ザルプ県における植林をめぐる軋轢と法制度に対する要求
第7章 山岳地の復元・保全に関する法の制定過程における収用導入をめぐる対立
第8章 オート=ザルプ県における本来的収用導入への反対とその限界
第9章 オート=ザルプ県における新法への移行作業と対審的調査の要求
第10章 オート=ザルプ県における新事業区域設定と牧野の具体性確保の試み
終章 総括
著者等紹介
伊丹一浩[イタミカズヒロ]
1968年兵庫県神戸市に生まれる。1998年東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程単位取得退学。現在、茨城大学農学部教授・博士(農学)。著書に『民法典相続法と農民の戦略―19世紀フランスを対象に』(御茶の水書房、2003年)(2004年度日本農業経済学会奨励賞、第15回尾中郁夫・家族法学術奨励賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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