内容説明
待望の米軍地位協定の総合的研究。日本を含む主要米軍受入12か国地位協定を24項目徹底比較から見た差異とその歴史的変遷を辿り、何故に各国で差異が生じたのかを究明。グローバルな視点から見た米軍基地戦略の本質を特定し、日米地位協定の近未来も考察。
目次
第1章 序論と研究対象
第2章 米軍地位協定の類型(Typology)各国の地位協定の差異、そしてそれらはどのように違うのか?
第3章 要因仮説1‐A:力(パワー)関係の非対称性と交渉方式の差異
第4章 要因仮説1‐B:脅威認識の差異
第5章 要因仮説2:国際規範としての相互主義原則
第6章 要因仮説3:受入国諸制度のアメリカとの近似度
第7章 要因仮説4:米軍受入国の政体転換
第8章 結論及び日本地位協定の特質と改正の可能性
著者等紹介
佐々山泰弘[ササヤマヤスヒロ]
1945年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、株式会社毎日コミュニケーションズ(現社名株式会社マイナビ)代表取締役社長、会長、最高顧問等を経て、米コロンビア大学大学院School of International and Public Affairsにて修士、上智大学グローバルスタディーズ研究科グローバル社会専攻(GPGS)にて博士。上智大学国際関係研究所客員研究員。専攻は国際関係論とグローバル社会研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
20
本書は国内に米軍を受け入れている国の中から主要な12か国(オーストラリア、ジブチ、ドイツ、ギリシャ、イラク、イタリア、日本、韓国、フィリピン、スペイン、トルコ、イギリス)を対象に、米軍の各国における地位協定の比較研究を試みたもの。地位協定をタイプ毎に類型化し、更に受入国から見た有利度を数値化し順位付けも行っている。そして各受入国で違いが生じた要因をいくつかの理論・諸説・研究から仮説を導き出し、それらの仮説が普遍妥当なものであるかを、歴史的経緯を比較考察する質的分析法を用いて立証を試みている。TBC2020/03/25