内容説明
アイヌ・モシリの復権とアイヌ民族の領有権を掲げて運動を展開する「自治区をとり戻す会」による北方領土返還交渉の誤りをアイヌ民族の立場から鋭く指摘した画期的論集。
目次
1 全千島、アイヌのもの
2 アイヌ・モシリへの旅
3 新聞、雑誌が語る「北方領土」の移り変わり―新聞報道から
4 先住民族の権利
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とりもり
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地名を見れば一目瞭然、北方四島はもともとアイヌ民族の土地だった。しかし、その事実は一貫した同化政策によって、完全に無視されてきた。「日本固有の領土」論によって、先住民族たるアイヌの権利は、現在に至るまで完全に無視されている。本書は、北方四島をアイヌの自治区とするという視点から返還運動を語る。正直言って、「目から鱗」だった。残念ながら、この本の訴えは今に至るまで一顧だにされていないのが現実だ。人権後進国・日本の面目躍如といったところか。多少古いが、オススメの一冊。★★★★☆2012/04/05