内容説明
巨大コンピュータで宇宙をシミュレートしたとき、ビッグ・バンから始まって、星雲が生じ惑星ができ、ついには人間(ソフト人類)までが登場するだろう。そのソフト人間から世界がどう見えるかを考察するのが「ソフト宇宙論」である。ソフト宇宙とはわれわれの宇宙そのものではないのだろうか?そのとき“コンピュータの外の世界”とはいったい何なのか?コンピュータの内と外とのコミュニケーションとは?彼そのものが情報的実体であり、情報はコピー可能なので、彼そのものもコピー可能となるが、人間を記録し再生するとは、いったい何を意味するのか?結論には真に驚くべきものがある。物理学の宇宙像をまるごとソフトウェアですくいとったとき、情報科学的な宇宙像が生まれる。そこには科学主義をはるかに超えた、新しい世界観の展望がひらける。本書は物理学と情報科学のひとつの統合を果たしている。
目次
第1章 前提=数学的世界観および極限のコンピュータ
第2章 世界の内と外―二重世界論
第3章 時間論―時間を自由に編集する
第4章 非物質的精神あるいは霊魂
第5章 関連したトピックス―ラプラスの魔、ソフト・ロボット、ハード世界模型
結語