内容説明
本書は、フランス大革命以降のドイツ近代政治思想史のパノラマの中で、君主主義思想からその対極の民主主義思想へ、そしてその展開形態である自由主義思想、国民主義思想、社会主義思想への政治思想の発展を超越的世界像から内在的世界像への転換に伴う「人間の顔をしたすべてのものの平等を基礎とした自由」の理念の実現として捉え、ワイマール憲法の原理となった社会主義すなわち社会民主主義思想こそ現代の課題であり、そしてそれが「歴史の運動方向」となる「第一級の政治的思想」として「未来形成的」政治思想であることを思想史的に論証した、ヘラーのワイマール・デモクラシー擁護の信仰告白の書である。そういう意味で本書はまた、一貫した問題意識の下に書かれた1925年までのドイツ近代政治思想史の類のない古典的名著でもある。
目次
ドイツの政治的思考形態の共通の基礎
君主主義思想
民主主義思想
自由主義思想
国民主義思想
社会主義思想