内容説明
中国共産党革命根拠地の歴史、同志粛清の記録を詳細に掘り起こす。「反革命分子」として粛清された人々の詳しい数字、場所、時期、理由等について実態を調べた結果の報告書。
目次
第1章 モスクワの中国人革命家・留学生とコミンテルン
第2章 「土地革命戦争」の時代とその全般的情況
第3章 中央革命根拠地における毛沢東の「革命と粛清」
第4章 湘〓(こう)革命根拠地の大粛清
第5章 〓(びん)西革命根拠地の「社民党」大粛清
第6章 鄂豫皖革命根拠地の大粛清
第7章 「湘鄂西根拠地」、「湘鄂〓(こう)根拠地」及びその他の根拠地の大粛清
第8章 『紅色中華』(中華ソヴィエト共和国機関紙)に見る「粛清反革命運動」
第9章 客家と「土地革命戦争」
第10章 結論 同志が皆敵に見える時―慈悲なき階級決戦、粛清という神聖暴力、能動的終末理論の行方
著者等紹介
小林一美[コバヤシカズミ]
1937年長野県諏訪に生まれる。諏訪清陵高校、東京教育大学文学部を卒業、同大学大学院人文学研究科(東洋史学専攻)博士課程修了。名城大学助教授を経て、1986年神奈川大学外国語学部教授、同大学名誉教授。専門は中国国家・社会・民衆史の研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
11
以前から気になっていた本だが、やはり個人的にはメガトン級のインパクトがあった。1930年代の中国共産党革命根拠地で繰り広げられた党内での大粛清の実態とその背景が詳細に記録されている。無理やり「反革命分子」とされ、激しい拷問からスパイラル的に粛清が拡大し、冤罪での犠牲者は約十万人余りといわれている。本書の更に凄い所は客家(新移住民)の抱える差別への抵抗精神と解放への希求が、中共の土地革命戦争と結びついた点の深い考察。他にも唸らされた点多々あり。兎にも角にも中共の強烈な歴史の一端が刻まれたド迫力の一冊。 2016/04/29
Arte
0
共産主義にシンパシーを持ち(「ロシア革命のモスクワ、パリ・コミューンのパリ、そして瑞金、光り輝く革命の都」)スターリンが何をしたか知っていながら金日成に好意を持っていたという著者が、国共合作が崩れた後の中国共産党の革命根拠地時代に粛清の嵐が吹き荒れていたことを知り、中国側の資料を基に、どこで誰がどれだけ粛清されたかを詳しくまとめた書。もともと農民運動という形であちこちで暴動が起きていたところに、水滸伝の英雄的な地元の共産主義革命英雄が出現。2025/01/29
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