内容説明
近代日本において、日本人の海外進出や大日本帝国の「勢力圏」の拡大に伴って、アジア地域を中心に海外に多くの神社が建てられた。これらの神社は「海外神社」と呼ばれている。海外神社は「大日本帝国」の崩壊とともに、その機能を停止したが、本書はその機能を停止した海外神社(跡地)が、現在、さまざまに景観を変容させて存在していることを明らかにした。さらに、その変容の要因を分析することにより、海外神社(跡地)の現在の姿は、たんに過去(戦前)の残影、残滓というよりも、当該地域・国の現在(いま)をあぶりだすものになっていることを明らかにした。
目次
1 海外神社とは(海外神社とは;海外神社の概観;海外神社の果たした役割)
2 海外神社跡地における神社の遺構・遺物の残存状況
3 海外神社跡地の景観変容の四類型(「復活」した例;「再建」された例;「放置」されたままになっている例;「改変」されている例)
4 海外神社跡地の景観変容の五つの要因(政治的要因;社会の変容;経済発展の度合い;文化伝統;支配交替の“刻印”)
著者等紹介
中島三千男[ナカジマミチオ]
1944年福岡県生まれ。京都大学大学院文学研究科国史学専攻博士課程単位取得後退学。専門は日本近現代思想史。1976年奈良大学文学部専任講師、1980年神奈川大学外国語学部助教授、1988年神奈川大学日本常民文化研究所所員、1992年神奈川大学外国語学部教授、1993年神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科教授、後、外国語学部長、学校法人神奈川大学理事を歴任、2003年神奈川大学副学長、神奈川大学21世紀COE拠点形成委員会委員長を経て2007年神奈川大学学長、神奈川大学大学院委員長に就任。財団法人大学基準協会評議員、神奈川県私立大学連絡協議会会長、神奈川県生涯教育連絡協議会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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