内容説明
戦後の瀬戸内「海の道」の再編にしたがって、マニラ移民送出の離島が変容してゆく過程を、階層分解に焦点をあて、解き明かす。近現代の「海の労働」の変化と、集落間のタイムラグ。島に起きた「産業の時間」と「むらの時間」のコンフリクトを通して、昭和期の「海」と「島」を舞台に、重層的な時間構造、空間構造のなかで生きる人々を浮き彫りにする。
目次
第一次産業就業者層の分解とタイムラグ
1部 「むらの時間」―人の移動と母村の再編(マニラ移民経験者と家族の戦後―町集落における漁民層分解;南氷洋捕鯨労働者の送出;社会構造の再編とセーフティネット―町集落の女性と生活;漁業者集団の存続―箱崎集落における漁業の変遷)
2部 「産業の時間」―海の世界と産業の再編(瀬戸内海における海運の変化―「船」と産業;海の労働の変容―横島における漁民層分解;造船業労働者の形成)
3部 コンフリクトの発生(LPG基地建設計画と社会的位置づけ;LGP基地反対運動)
昭和史のなかの「海」と「島」
補論 宮本常一の西日本社会論―集落調査への視点
著者等紹介
武田尚子[タケダナオコ]
武蔵大学社会学部教授。博士(社会学)。専攻は地域社会学、都市社会学。お茶の水女子大学文教育学部卒業、東京都立大学大学院社会科学研究科(博士課程)修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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