内容説明
理性的なものと錯覚している「記号的理性」とは記号に支配されて本質的なものを見誤っている偽の理性のことである。具体的には今日の国家主義的言説に示されている。それを批判するためには、まずル・サンボリックが本質的・具体的にどういう原理で動いているかを理論的に考察しておかなくてはならない。批判的知性の構築に向けての著者最新の評論集。
目次
1 理論的な領域(ラカンのシニフィアンに光あれ!;ガタリ的機械;アブダクションの閃光;廣松渉の言語哲学;聖堂のカフカ;ショスタコーヴィチの叫び声;弱者の言説)
2 国家主義の諸形態(アクシオン・フランセーズとファシズム;マルチチュードの哲学;ヨブと格闘するネグリ;国家主義を超えるもの;国家主義的言説の陥穽)
3 世界を見る眼(パラオの苦い海;ポスト社会主義の一断面;トルクメニスタンの向日葵;バングラデシュの喧噪と緑;ジャール平原の不発弾)
著者等紹介
宇波彰[ウナミアキラ]
1933年静岡県浜松市に生まれる。東京大学大学院修士課程修了。明治学院大学教授、札幌大学教授として働いた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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