内容説明
忘れたい傷痕の記憶から再生の記憶へ、過去の記憶から未来へ。ここに価値の空白を超える可能性と、これからの文学の果たす新しい時代的役割がある。
目次
1 記憶の未来化のために(文学における倫理と実践;文学と記憶―時代の空白感のなかで ほか)
2 記憶と文学(原爆文学から記憶の文学へ―林京子『トリニティからトリニティへ』;記憶のなかの朝鮮、女たち―森崎和江の見つめつづけたもの ほか)
3 「9・11」と文学(「9・11」以後の文学と倫理―同時代史のなかの三つの戦争;時代精神と自由―北村透谷「漫罵」 ほか)
4 文学の現風景(霊的生存の記録―高橋たか子『私の通った路』;日本社会の現風景と文学―『私たちはどのような時代に生きているのか』 ほか)
著者等紹介
小林孝吉[コバヤシタカヨシ]
1953年、長野県生まれ。明治学院大学文学部卒業。文芸評論家。「千年紀文学」編集人
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