内容説明
現代文化の中に『源氏物語』がどのように立ち現れて、再生産されているか。また、現代が『源氏物語』をどのように捉え直し、新たな領野を切り開いているか。本巻は、現代文化という視点から、『源氏物語』の現在を問う試みである。
目次
1 新たな読みの生成(ポスト『源氏物語』研究の領野―現代批評理論への応答;『源氏物語』の家とジェンダー―紫上・明石尼君を中心に)
2 ニューメディアと源氏物語(コンピュータの中の源氏テクスト;ブロードバンド時代のデジタルデータ『源氏の物語』)
3 出版メディアと源氏物語(『源氏物語』関連出版と解釈共同体―婦人雑誌・本質主義・レイプ・光源氏計画;現代マンガの平安物)
4 源氏再現のドラマ(歌舞伎・新派・新劇;『源氏物語』と新作能―「夢浮橋」「小野浮舟」「紫上」の世界;宝塚と「千年の恋」)
5 源氏文化の伝統(十二単幻想;寝殿造と現代)