内容説明
本書は、平家物語成立過程の、特にその発生段階の状況分析を手掛かりに、輻輳するこの物語の発生事情の解明に取り組んだ、生成平家物語論、発生考篇である。
目次
第1編 平家物語の発生と後白河院近習(平家物語発生の時と場;後白河院系物語群の輪郭と性格;後白河院「伝奇」と「住吉大明神」)
第2編 平家物語の成立と九条家周辺(平家物語における摂関家の構図;九条家の源二位頼朝卿;『安徳神話』の誕生;壇ノ浦合戦後の女院物語の生成―『閑居友』と延慶本平家物語の関係・再検討)
付編 読み本系諸本の成立と展開(読み本系諸本の成立と展開;大嶋神社・奥津嶋神社蔵「平家物語断簡」は二十四巻本か;研究史展望)