内容説明
樋口一葉研究会は一葉を「原点」や「中心」にすえていますが、近世や近代への文学史的あるいは文化史的拡大を絶えず試みてきています。そうした試みの成果がいま、ここに本書となっているわけで、研究会としては十二分の満足感を抱いています。
目次
潜在する女の物語―「暁月夜」の語り
贈与と主体化―『大つごもり』論
「たけくらべ」の構想とモデル―付論 久佐賀義孝の偽書
『たけくらべ』論のための覚書き
「ゆく雲」の位相―一葉における和歌的構想力の問題
交差した「時間」の意味―「わかれ道」の行方
小説表現史と一葉
一葉小説と同時代環境
一葉と『文学界』