感想・レビュー
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miyuki
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2月28日より。古代和歌の序詞発生の理論を、<音>に注目して組み立てた著作。『風土記』の地名由来譚なども参照し、古代日本語ないし古代和歌における序詞や枕詞的技法の発生とその論理を述べている。前提となる先行研究の要約がきっちりなされているので、全体として論理は非常に明解である。逆に言うと、要約部分が多すぎるのではないかと思われるが、しかし実に興味深いテーマであったので飽きることはなかった。時々、創作者の論拠が出てきたりするところに一辺倒な学術的方面に偏り過ぎていない公平性がある。2016/03/01