内容説明
ロマンの作家福永武彦は、功緻な方法を駆使して人間の内部の問題にアプローチ、ついに「死の島」で、夏目漱石の「『明暗』に源を発した日本の現代小説の一つの到達点」(加賀乙彦)を示すに至る。本書はその芸術と人生の真実を探求した著者積年の論文集。
目次
第1部 出生の問題(父なるもの―「河」を中心に;求める母―「幼年」を中心に)
第2部 愛と死(文体―「ある微妙なもの」;散文詩的メルヘン―「塔」;音楽的小説―「風土」;愛の不可性能―「草の花」 ほか)
第3部 福永武彦の世界(福永武彦詩集;風土;草の花;夜の三部作 ほか)