内容説明
西陣とそこに生きる人びとにカメラを向けつづけてきた、十数年の結晶。著名な京都論者である松本章男氏の一文も彩りをそえ、写真と一体となって西陣の魅力を綴る。
目次
西陣の暮らし・夏
織りの担い手たちと作業工程
西陣のまなざし
盂蘭盆会と地蔵盆
丹後への出機
暮らし・冬から春
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パチーノ
11
本著に触れるにあたって先週京都市上京区の所謂西陣一帯を散策してきた。マンションなどが建ち景観は変わってしまったのかもしれないがまだ所々に紅殻格子で設えた家が点在していた。古き良き日本の京町が残されており感激した。ところで本作は西陣織に従事する職人や町の風景を数多くおさめる。モノクロ写真がなんとも言えない雰囲気を醸し出していて素晴らしい。また、後継者がおらず途絶えてしまう分野も多いそうだ。人間国宝で竹筬の製作者北岡高一氏も然り。余談だが今日の日経新聞朝刊のコラム欄に氏のことが出てきてあまりの偶然に驚いた。2016/07/25