出版社内容情報
女優たちが制作し読み継いだ原爆朗読劇が2019年に幕を下ろした。あの日の広島と長崎の子どもたちを証言する舞台は深い感動をよんだ。上演された子どもたちの詩、母親や教師の手記、峠三吉らの原爆詩を再録して構成する。
内容説明
子どもたちの詩、母親や教師の手記、峠三吉らの原爆詩―女優たちが制作した原爆朗読劇を書籍化。
目次
原爆の日―吉岡満子
小学三年・坂本はつみ
小学四年・松島愛子
小学三年・金本湯水子
小学4年・三吉昭憲
小学六年・慶箕学
決して忘れない―本多博子
小学五年・香川征雄
小学五年・栗栖英雄
小学二年・横本弘美〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ルピナスさん
39
子供達の笑顔の写真で始まる本書。裸ん坊の体から骨が浮き出ているけれど、両親が子供の成長を願って一生懸命食べさせ、幸せな日常があったはずだと想像が広がります。そして襲った原爆の悲劇。今でこそ説明がつく諸々の事実も、当時の人々にとってはなぜの連続だったはずで、やり切れなさが切に伝わってきます。「日本にない物はアメリカから送って貰い、フィリピンにない物は日本から送ってやり、世界が仲良くいかんもんかしら。」と星空を見上げてお母さんと話した少年が翌日には一瞬にして死んでしまうなんて。この悲劇は忘れてはなりません。2021/06/30
かおりんご
26
広島、長崎の原爆を体験した人たちの詩や絵、話をまとめたもの。ひとりひとりの体験に想いを寄せると言葉ではいい表せないくらい、悲しくて苦しくて押しつぶされたような気持ちになる。でも、これが現実にあったこと。忘れてはいけない事実。2020/10/09
白火
3
読んでみたくて探していた本を僥倖にも図書館で発見。『「ほしがりません かつまでは」といわせたのは一体誰だったのだ』『過去は眠っていません』原爆について色んな絵本とか体験記だとかは読んできたし、資料館にも足を運ぶ機会があったけども、この本はそれらとはまた違った風合いで、剥き出しに打ち付けてくる。「言葉の火」と書かれていたけども、まさしくそれがよく合う。2020/10/07
ryouya
2
広島と長崎に落とされた原爆により命を奪われた家族の手記。奇しくも終戦の日に亡き両祖父が語った戦争の思い出をSNSに投稿してから、この本に出会いました。無慈悲に奪われた命、戦争は悲惨なものであるという事を生きてる私達が語り継がねばなりません。しかし私は1歩踏み込んで考えたいのです。世界で日本だけが原爆という民間人虐殺、人体実験を受けました。あの時日本に原爆があれば投下されていたでしょうか?話して分かり合えるなら現在も戦争は無い。二度と戦争を起こさせない為に今、憲法改正を考えるべきだと思う。私は被爆三世です。2020/08/19
にゃるねんnnn
1
どんな作り話より、拙い言葉で語られる真実は重くて痛い。2024/06/03