内容説明
日本を明治憲法と教育勅語の時代に引きもどそうとするアナクロニズム。年寄りや障害者は死ねと言わんばかりの「自死論」。こんな道徳論をゆるせますか?西部邁『国民の道徳』の矛盾を徹底的にあばく。
目次
総論―西部邁氏の言いたいこと
『国民の道徳』の政治的背景―西部邁氏の思想の構造と役割
「グローバル」時代の国家ナショナリズムと戦後民主主義
「個人の尊厳は諸悪の根源」か―支離滅裂な西部氏の「人権論」
「弱者は強者のために存在する」のか―荒唐無稽な西部氏の「自由・平等論」
伝統主義道徳論が隠す宗教的天皇主義
歴史を歪める天皇論と戦争責任問題
憲法を破壊したところに公民の精神は成り立たない―『国民の道徳』の憲法論批判
反グローバリズム・反市場原理主義の矛盾をつく―西部氏の経済論批判
ジェンダー論からみた『国民の道徳』の家族観〔ほか〕
著者等紹介
浜林正夫[ハマバヤシマサオ]
一橋大学名誉教授
山科三郎[ヤマシナサブロウ]
哲学者
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