出版社内容情報
イスラエルの存続と安全保障を「国家理性」だとし、イスラエル批判=反ユダヤ主義へと至ったドイツ。ドイツ-イスラエル-パレスチナ関係の歴史と現在を多声的・複層的に描き出す。「歴史家論争二・〇」の基本論文も収録。
【目次】
目次
序 章 岐路に立つドイツの「過去の克服」――イスラエル・パレスチナ紛争からの問い…浅田進史
1 苛酷さを増すガザとジェノサイドの認定
2 国際的な非難に直面したドイツ政府
3 問われるドイツの「過去の克服」と「歴史家論争二・〇」
4 タブーを打ち破る
5 越境する「過去の克服」
6 本書について
第Ⅰ部 問われるドイツの「過去の克服」
第1章 戦後ドイツの「過去の克服」――その歴史と現在…香月恵里
1 空白の一九五〇年代――ドイツ人の被害者意識と非ナチ化の失敗
2 アデナウアーの対イスラエル政策
3 アイヒマン裁判・アウシュヴィッツ裁判以降
4 保守化の八〇年代――歴史家論争
5 再統一以降――アウシュヴィッツの相対化?
6 現在のドイツ
7 おわりに――ドイツはどこへ向かうのか
第2章 ドイツのイスラエル外交――「普通の関係」の模索から「国家理性」へ…板橋拓己
1 国交樹立への道のり
2 転機としての六日間戦争
3 「普通の関係」をめざして
4 ホロコーストの記憶
5 「国家理性」へ
おわりに
第Ⅱ部 「歴史家論争二・〇」をめぐって
第3章 比較を比較する――「歴史家論争」からムベンベ事件へ…マイケル・ロスバーグ(大下理世訳)
1 新たな想起の文化
2 歴史家論争二・〇
3 暫定的な評価
4 比較を超えて――責任という問い
第4章 ドイツ人の教理問答…A・ダーク・モーゼス(大井知範訳)
1 教理問答
2 ある救済の語り
3 移民たちによる別の見方
4 「純粋な」は存在しない
5 ナチたちの植民地主義
6 今こそ包括的な思考を
第5章 ポストコロニアリズムは反ユダヤ主義か…浅田進史
1 逆境に立たされたポストコロニアリズム
2 反BDS決議からムベンベ事件、「歴史家論争二・〇」へ
3 ポストコロニアリズムを批判する側の論理
4 反論――開かれた討論空間を求めて
5 連帯を阻む政治に抗して
第Ⅲ部 越境の諸相
第6章 ドイツ在住のパレスチナ人――タブーを破り、トラウマをテーマ化する…サラー・エル・ブルベイシ(浅田進史訳)
1 ドイツ在住のパレスチナ人
2 タブーとトラウマ
3 第一世代
4 第二世代
第7章 なぜ「反セム主義」という言葉をボイコットするのか――ドイツにおける反ユダヤ的人種主義…ジェイソン・オーバーマン(浅田進史訳)
1 ドイツ在住ユダヤ人の日々
2 狂気へと放り込まれた子孫たち
3 反セム主義担当委員たち
4 親愛なるウーヴェ
5 チュートン人とセム人
6 我々の恐れを知らない指導者
7 あるセム主義の系譜
おわ
内容説明
ホロコーストへの反省とは何だったのか?ドイツ‐イスラエル‐パレスチナ関係の歴史と現在を複層的に描き出す。「歴史家論争二・〇」の基本論文を収録。
目次
岐路に立つドイツの「過去の克服」―イスラエル・パレスチナ紛争からの問い
第1部 問われるドイツの「過去の克服」(戦後ドイツの「過去の克服」―その歴史と現在;ドイツのイスラエル外交―「普通の関係」の模索から「国家理性」へ)
第2部 「歴史家論争二・〇」をめぐって(比較を比較する―「歴史家論争」からムベンベ事件へ;ドイツ人の教理問答;ポストコロニアリズムは反ユダヤ主義か)
第3部 越境の諸相(ドイツ在住のパレスチナ人―タブーを破り、トラウマをテーマ化する;なぜ「反セム主義」という言葉をボイコットするのか―ドイツにおける反ユダヤ的人種主義;ガザ・ジェノサイドを否定するアメリカ;ホロコースト、イスラエル国家、ユーロセントリズム)
著者等紹介
浅田進史[アサダシンジ]
駒澤大学経済学部教授
香月恵里[カツキエリ]
岡山商科大学経営学部教授
板橋拓己[イタバシタクミ]
東京大学法学部・大学院法学政治学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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