内容説明
日本の歴史学界で論じられてきた重要かつ基礎的な15のテーマを俯瞰し、研究の意義と到達点、今後の課題と可能性を提示する。
目次
第1部 国家・天皇制・帝国主義(日本前近代の国家と天皇;近代天皇制・天皇論の課題;国家論 ほか)
第2部 歴史に生きた人びとと国家・社会(運動史研究の変遷―現状と課題;身分と階級;土地制度史研究と新しい地平―日本中世史を中心に ほか)
第3部 歴史学の方法・歴史学と歴史教育(社会構成体論と社会構成史;アジア認識―津田左右吉の事例を中心に;歴史教育における世界史認識をめぐる諸問題 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
21
歴史科学協議会創立50年を迎え、半世紀にわたる研究創造活動を批判的に回顧しつつこれからの歴史学研究を展望するものとして企画された本です。とても内容豊かでした。天皇制をめぐる問題や国家論にかかわる問題、運動史研究や身分・階級の問題、女性史やジェンダーの問題、社会構成体の問題など幅が広かったですが、歴史学が現代にどのように語りかけているのかはどの論考にも意識されていたように思いました。安倍政権が具体的に憲法改悪の日程を示しているなかで、私たちが歴史から何を学ぶのかを意識しながら読めました。2017/07/20