出版社内容情報
3・11以後の歴史的転換についての哲学的なアプローチ。工業文明と科学技術、低線量被曝、自然観の再検討、脱工業社会などを考察。
【著者紹介】
一橋大学名誉教授、環境哲学。
目次
序論 哲学は三.一一をどう受け止めるか
第1部 ポスト三.一一の文明論的意味(ポスト三.一一の文明史的射程;ポスト三.一一で問われるもの;近現代と工業社会;原発依存と工業文明の転換)
第2部 問われる原発依存(福島原発事故から見えてきたこと;放射線被曝下における生活;原発事故は「想定外」か)
第3部 問われる科学・技術(自然観の見直し;科学・技術の意義と限界;科学・技術はどこまで制御可能か)
第4部 問われる工業文明(疎外された近現代の工業文明;原発と国家資本主義;脱原発・脱化石燃料の工業社会―環境・エネルギー革命)
第5部 脱工業社会における共同(新しい共同をめざして;個人主義の再考察;脱工業社会の思想的課題)
著者等紹介
岩佐茂[イワサシゲル]
1946年、北海道生。一橋大学名誉教授、環境哲学
高田純[タカダマコト]
1946年、北海道生。札幌大学教授、近代ドイツ哲学、環境思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
2
民主主義の要素 ①市民の自主性、②市民へ判断情報を提供、③市民が意見交換、④市民が同意して意思決定(154ページ)。市民と科学者との齟齬があるからこそ、市民大学院の意義があると思った。また、「原発の再稼働には熱心であるが、政府の原発災害への対応はあまりにも遅い」(261ページ)。これは、政業癒着か。「生活の原点で大切なのは、人間と自然の正常な物質循環である」(264ページ)。循環型社会と言われて久しいが、ペットボトルも動物が犠牲となっている。誰かが犠牲とならない文明、経済発展は実現できないか。万人裨益で。2012/11/30