カール・マルクスと西欧政治思想の伝統

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  • サイズ B6判/ページ数 361,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784272430598
  • NDC分類 309.3
  • Cコード C0010

内容説明

『全体主義の起源』(1951年)で脚光をあびたアーレントが、その直後にマルクス研究に没頭したことはあまり知られていない。当時、ソ連や東欧で進行する全体主義的状況はなぜ生まれたか?マルクスとの“対話と対決”を通してアーレントは、もしマルクスの思想を全体主義的だというのなら、ヨーロッパの政治思想全体がその非難を受ける可能性があると考えるようになった。マルクスの批判的研究とはヨーロッパ政治思想の伝統がはらむ問題と取り組むことだ、と。米国・議会図書館所蔵の1953年の手稿から翻訳。世界に先駆けて刊行。

目次

第1草稿(カール・マルクスと政治思想の伝統;カール・マルクスと西欧政治思想の伝統―伝統への近代の挑戦)
第2草稿

著者等紹介

アーレント,ハンナ[アーレント,ハンナ][Arendt,Hannah]
1906年‐1975年。ユダヤ系の女性としてドイツ、ハノーヴァー近郊に生まれる。ハイデガー、ヤスパースのもとで哲学を専攻。ナチスの進出によってアメリカへの亡命を余儀なくされたが、亡命先で執筆した『全体主義の起源』で一躍脚光をあびるようになった。ヨーロッパの思想伝統の根本にさかのぼって哲学と独裁との危うい関係を指摘しつつ、生涯を通して近代世界と人間の自由との関連について深く思索をめぐらした

佐藤和夫[サトウカズオ]
千葉大学
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感想・レビュー

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アーレントが生きていた間には公刊されなかった、『全体主義の起源』と『人間の条件』の間に書かれたもの。こういったものをまとまった形で日本語で読めるのはとてもありがたいし、訳もわかりやすい。アーレントが、スターリン主義について考えるためにマルクス(主義)を研究し、それによって西欧政治思想の伝統全体や近代の生活の基盤の問題に直面していったことがみてとれる。他の著作との異同を精査にみていきたい。2017/08/16

赤口

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長めの紹介を書いた。『人間の条件』『革命について』『過去と未来の間』などと重複する点もあるが、マルクスをハブに再整理したい人に。西欧政治哲学の支配のモデルを「主人―召使」「教師―生徒」「父ー息子」と論じているのは注目に値する。最後の要約が非常にまとまっているのでこちらを先に読むと良い。 http://otafringe.blogspot.jp/2014/11/blog-post_16.html2014/11/06

本を読む日々

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アーレントの目的意識には、「全体主義は何故起こったか」と「労働優位から活動優位へ」という二点があると理解している。この本は、マルクスと西洋政治思想の伝統のつながりを指摘し、「全体主義」へ至る道筋が必然であったことを示そうとしているのではないか。彼女なりのマルクスの読み方があるので、そこをもう少し丹念に読み直してみたい。2014/01/14

Gimmikc

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政治史のまとめ役担当として当然現われるべくして現われた、天才としてマルクスを説明してくれる。

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