内容説明
20世紀の思想に今なお大きな影響を与えるヘーゲル哲学は、その難解さの裏に転換期にある時代の精神をじつに生きいきと脈うたせている。本書の著者は、ヘーゲル哲学のなかから進歩的な核心をたんねんに掘りおこすことによって、世界史的転換点に立つ今日のわれわれに、生きることと時代に立ち向かうことのなんたるかを深く確信させてくれる。
目次
第1章 若きヘーゲル―神学から哲学へ(ヴュルテンベルク在住ヘーゲル家最後の1人;“レッシングの親友”)
第2章 イェーナ時代―哲学の成熟(フィヒテの“自我”とシェリング;生の“発見の旅”すなわち『精神の現象学』)
第3章 ニュルンベルク時代とハイデルベルク時代―哲学体系の完成(バンベルクの“新聞のガレー船”;ニュルンベルクのエギディエン・ギムナジウムの校長として)
第4章 ベルリン時代―哲学的名声の頂上(ヘーゲル,フリース,ブルシェンシャフトのメンバーたち;ブルジョア自然法理論の完成)