内容説明
人間は疎外された受苦的存在でありながら、これを乗り越えようとする情熱的存在でもある。この疎外を超克しようとする場が市民社会であり、疎外回復の営為をヘゲモニーと呼ぶ。キーコンセプトを軸に、主体形成のための教育=生涯学習原理論を展開する。
目次
はじめに 本書のための予備的考察
第1部 人間の疎外と回復の思想―初期マルクスの考察(三池闘争、疎外論、初期マルクスへの関心―六〇年代思想の狭間で;人間観の原点・「具体的普遍」―「学位論文」を中心に;「具体的普遍」の現存・「貧民」の内実―『ライン新聞』第一・第三論文の再審を通して;プロレタリアートの発見への階梯―「ヘーゲル国法論批判」の周縁;「人間的解放」の定礎―『ヘーゲル国法論批判』、『独仏年誌』の位相:初期マルクスの人間=社会観について―第1部の総括にかえて;付論 マルクスの主体形成論の再審)
第2部 市民社会とヘゲモニー―グラムシ『獄中ノート』の考察(グラムシの生涯と思想―サルデーニャ、トリーノそして獄中;グラムシの「実践の哲学」分析試論―唯物論と観念論の超克;市民社会論と「歴史的ブロック」―土台・上部構造の連関;グラムシの教育構想―知識人論と大衆の間;ヘゲモニー概念の刷新と展開―「国家の市民社会への再吸収;グラムシ研究の新段階―没後六〇周年に際しての覚え書)
第3部 市民社会と主体形成―教育改革と生涯学習(自分史のなかに「市民社会」を読む―戦後思想の断層;市民社会の歴史的系譜―ギリシアのポリスと中世の独立自営農民層;市民社会と公共性―「私」と「公」の統合;現代市民社会と人権の問題―社会教育学会五〇年の研究総括;国家と地域の思想・再審―市民社会と直接民主制;現代市民社会と教育改革;付論1 生涯学習とボランティア・ネットワーキング;付論2 大学と生涯学習センター)
「あとがき」にかえて
著者等紹介
黒沢惟昭[クロサワノブアキ]
1938年長野県生まれ。一橋大学から東京大学大学院修了。神奈川大学、東京学芸大学を経て、山梨学院大学教授。生涯学習センター長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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