内容説明
麗々しく日の丸の旗を飾った講壇に、白手袋をした校長先生がうやうやしく捧げもつ「御真影」。じかに見ることを許されず、こうべを垂れる先生と生徒たち。四十数年前までの日本の学校風景。しかしまた、ここから今の日本人はどこまで自由になりえただろうか。
目次
序章 御真影の由来と普及
1 栃内泰吉の真御影殉職とその後―三陸大海嘯と御真影
2 御真影は焼けていなかった―久米由太郎の死と御真影
3 『河北新報』の伏字―大友元吉の死をめぐって
4 中島仲重の殉職
5 竹内伝蔵の遺書―ある教育勅語謄本紛失事件
6 関東大震災と殉職女教師―杉坂タキのこと
7 御真影焼失事件の顛末―続・関東大震災と殉職女教師
8 関東大震災下の真鶴小学校―続々・関東大震災と殉職女教師
9 危険は火のみに非ず―ある御真影誘拐事件
10 ある国民学校助教の不敬事件
11 空襲と御真影―酒井美枝訓導「御真影奉還遷中爆死」の真相
12 御真影の回収と奉安殿の撤去
補論 沖縄県と御真影