内容説明
花ひらく子ども文化の可能性を求めて。子ども文化の発展過程は、社会の発展との関連においてはじめて捉えきれるものです。本書は、60年代、70年代、80年代の子ども文化の現実を実態史として捉えた“子どもの現代文化史”です。
目次
1 現代文化と子どもたち
2 60年代から今日までの子ども文化(「国づくり・人づくり政策」と子どもの文化;70年代の子どもの文化を考える;臨調路線と子どもの文化)
3 子どもの生活と文化(子どもの文化統制と文化の復権;映像時代の文化と読書;すまいと子どもの文化;実りある冒険と子どもの文化;子どものいのちと文化;子どもの商品文化と犯罪)
4 いま、問われている文化とは
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
34
1987年初版。憲法では25条で「健康で文化的な最低限度の生活」が保障され、人間らしい文化のなかで学び発達することが子どもたちの権利として謳われています。その憲法のもとで民間の声を反映する形で作られた児童憲章でも「よい環境のなかで育てられる」と子どもの環境を文化的に高めていく必要性が述べられています。しかし、子どもをめぐる文化の様相はけっして良いとはいえません。遊ぶ時間は減り続け「人づくり」政策の下で文化的学びの機会も奪われています。文化とは何かを問うと同時に、よい環境とは何かを考える必要を痛感しました。2018/09/17