目次
1 「育てにくい」子どもたち(そういう子は昔からいた?;「育てにくい」子どもたちの変遷 ほか)
2 感覚情報の交通整理(脳の栄養―感覚情報;感覚情報を「交通整理」する脳のはたらき ほか)
3 三つの「感覚」の統合とつまずき(子どもたちのよき「理解者」になるために;「触覚」のふたつの系統、原始系と識別系 ほか)
4 事例別アドバイス(落ち着きのないA君;ケンカがたえないB君 ほか)
5 教育・保育・療育現場の方々へ(育てる側の心構え;子どもの「自己有能感」を育てよう ほか)
著者等紹介
木村順[キムラジュン]
作業療法士(OT)。1957年生まれ。日本福祉大学卒業後、金沢大学医療技術短期大学部(現、金沢大学保健学科)に進学し、資格取得。足立区の「うめだ・あけぼの学園」にて臨床経験を積む。勤務のかたわら、専門学校の講師を兼務。2002年3月、退職し、「療育塾ドリームタイム」を立ち上げる。4施設の非常勤OTを勤めながら、十数の親の会のアドバイザーを兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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♪みどりpiyopiyo♪
52
以前読んだ本です。こういう傾向のある当事者や その周りの人達は、日々沢山の困難に直面しています。■様々な統計がありますが、少なく見積もってもこの傾向のある人は 左利きの人よりも多い様ですが、こーいう困難(障害)が世間に知られていないのて、困難の理由が分からないまま大人になってる人も沢山います。子供を育てる人や教育関係者は勿論のこと、それ以外の人も知っておくと、 交友関係や職場で知識が助けてくれるでしょう。読んだ本人が自分の特性に気づく事もあるかもですしね ✩⡱ (2006年)(コメント欄に概要あり〼→
shikashika555
36
発達障害児の療育を「身体的感覚統合の躓き」とそのメカニズム、援助の具体的方法とその状態像を解説している。 器質的疾患による生活や学習の困難、心理的な問題における認知行動療法、児を取り巻く環境に対する社会的援助についてはかねてより考えてはいたが、身体感覚統合に対する作業療法の視点からのアプローチは新鮮であり、とても興味深かった。 援助職や医療職のヨコの連携の重要さをつくづく感じる。 良い方法も、周知され 取り入れられなければ「アソコではこんなんあるらしいけどなぁ」との話のネタで終わってしまうもの。 2020/10/17
Natsuko
20
じっとしていられない、動きが乱暴、喧嘩が絶えないなどの子供の症状はしつけの問題ではなく、感覚統合不全の場合があり、「交通整理」により改善がみられる場合あり。育児書であり、成人の障害者にはあてはまらないかもしれないが、社会生活に不適切な行動の原因を探るためには知識として必要だと思う。とてもいい本で附箋だらけ、購入を検討している。2020/08/11
へーた
19
子ども本人の性格や親の育て方などの環境のせいではない理由がある、とても勉強になりました。まず「なんでこうなんだろう」と考えることが大切。少しの正しい援助でここまで変わるのか!と事例には感心させられっぱなしでした。2017/01/03
のりたまご
9
作業療法士さんから「感覚統合」という聞き慣れない言葉を聞き、新しい視点を得た。感覚にはいわゆる「五感」の他に、バランスの「平衡感覚」、筋肉や関節の「固有覚」があり、それらの感覚情報が脳で上手く整理され、再構成される必要がある。触覚の統合が上手くできないと、散髪や耳掃除・爪切りを嫌がる、触られる事に拒否を示す。平衡感覚では自律神経や情動にも関連し、統合のつまずきにより、揺れを怖がったり姿勢が崩れる。また逆に過剰に刺激を求め落ち着きなく動き回る。これらの問題は行動に留まらず、「触れられる事の不快感」→→2020/09/23