内容説明
電子1個の質量やエネルギーを「場の量子論」で正確に計算しようとしたら無限大になってしまった。そんなはずはないのだ。朝永振一郎らが発見した「くりこみ理論」は、抜群の手法で無限大を回避し、「場の量子論」を破局から救ったが、長い間、それは対症療法にすぎないと見られてきた。その「くりこみ理論」がいま、新たな脚光を浴びつつある。それはなぜか。「無限大の困難」とは何だったのか。
目次
1 素粒子物理学と量子論
2 くりこみ理論の誕生
3 くりこみ理論の発展と挫折
4 よみがえったくりこみ理論
5 理論とはなにか―場の量子論が問いかけるもの