内容説明
「介護崩壊」ともいえる現状を変える道はある。迫りくる“我が事・丸投げ・地域強制社会”に抗し、介護保険の抜本改革をへて、権利としてのケア保障を実現する道筋を示す。
目次
介護不安制度から「権利としてのケア保障」への転換(岡崎祐司)
第1部 高齢者のケアを保障しえない介護保険―歴史と現在(「介護保険一七年」の軌跡と現状(林泰則)
高齢者のケアと地域保険―「社会的入院」の解消と本人が望むケアの実現へ(末永睦子)
新たな段階を迎えた介護保険制度改革(林泰則)
歪められる地域包括ケアシステム
介護保険財政の仕組みと現状(横山壽一) ほか)
第2部 権利としての高齢者ケア保障の確立へ(生活と自治と権利の地域ケアシステムをつくる(岡崎祐司)
地域ケアシステムにおける医療・福祉・居住(岡崎祐司)
ケアのナショナルミニマムの確立へ(末永睦子)
高齢者ケアの財政論―介護保障のために(横山壽一)
介護保障につなぐ制度改革(林泰則))
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aoi
5
かなり時間かかったけど読み切れた!! 難しかったけど面白かった、もっと学びたい2023/06/30
かじやん0514
3
介護保険ができた当初から介護を保障しない制度であることをこれでもかとばかりに明らかにし、社会保障全体の再構築と一体にあるべき姿(介護保険ではなくケア保障)も示す。現状分析を読んで本当に自分の老後が不安になった。2018/01/30
Takao
2
2017年11月15日発行(2018年3月20日、第2刷)。導入以前の批判本は何冊か読んだが、すでに十数年を経た介護保険の「改善」から新たな制度を展望する本は本書が初めて。400頁近い厚さにやや怯んだが、購入から1ヶ月ほどでなんとか読み終えることができた。介護保険制度はそもそも制度設計に問題があり、すでに「介護崩壊」。今後、制度の維持さえ困難になる。読みながら、介護現場をよく知る執筆者に寄って書かれていることがよくわかった。本シリーズ(新福祉国家構想)の他分野とも連携し、世論形成することが求められる。2019/06/20
ayumu
1
やっと、読了。 第一部では、介護保険が始まる以前から介護保険への変遷、問題点が、第二部では今後の展望についてがよくわかりました。 介護保険制度は、もう小手先だけに対応で立ち行かないところまで来ている。仮に国庫負担を介護保険以前の1/2に戻しても解決しない。 国のあり方そのものを変えないといけないということがわかった。それは、高齢介護だけでなく、子育てや障害など福祉施策全般、もっと言えば医療も年金も生活保護も・・・。 一人ひとりの国民が大切にされる社会への転換。 自分に何ができるかな。2018/08/10