出版社内容情報
日本の失業時保障の貧困を徹底批判。雇用保険制度の抜本改正と「求職者保障制度」の新設など、労働者の総合的な生活保障を提示。
【著者紹介】
1947年生まれ。都留文科大学教授。著書に『ワーキングプア原論―大転換と若者』(花伝社、2011年)、『戦後思想ヘゲモニーの終焉と新福祉国家構想』(旬報社、2006年)、『反「構造改革」』(青木書店、2003年)ほか。
内容説明
高失業社会日本。その失業時保障の貧困を徹底批判。雇用保険の抜本改正と「求職者保障」の新設で“半失業”の大幅削減へ。
目次
序章 高失業社会の到来
第1章 みえる失業・みえない失業―その歴史・現状と政策の課題
第2章 漏れのない失業時保障
補論1 ハローワークの現状と改編の課題
補論2 雇用労働政策と公的扶助の交錯―ドイツの事例から
第3章 失業時・勤労時の生活を支えるシステム―労働、居住、社会サービス、所得
第4章 近年の半失業と失業時保障
終章 社会保障のすき間の拡大を許さないために
著者等紹介
後藤道夫[ゴトウミチオ]
1947年生まれ。都留文科大学名誉教授
布川日佐史[フカワヒサシ]
1954年生まれ。法政大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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三上 直樹
3
派遣やブラック企業にかかわる基礎知識を確認するために、福祉国家として求職者保障制度の創設を骨子とする法制と統計にあふれた硬い内容を何とか読了。法制の欠如に企業の専横が重なって、非正規労働が増幅している現代日本の病巣がていねいに掘り下げられている労作です。2015/06/12
Takao
2
2013年4月19日発行(初版)。雇用保険については、だいぶ前に失業保険から名前が変わったこと、給付日数が削減されてきていることくらいしか知らなかったが、「失業・半失業者が暮らせる制度の構築」にあたっては、生活保護制度の底上げが不可欠だと痛感した。政府が進める社会保障の削減、規制緩和、公務員(本書ではハローワーク職員)削減、これらすべてが関わっている。本書中頃にある「半失業」状態にある労働者に関する緻密な試算は難しかったが、非正規で働く人、正規で過剰に働く人と「失業」は隣り合わせであることは理解できた。2019/06/30
かじやん0514
1
雇用のあり方、働き方がめちゃめちゃになってしまった日本。これをどうやって人間らしく働けるようにしていくのか。カギは、失業したときの生活保障を漏れがないようにすること。政策だけではなく、いま進められている税と社会保障の一体改革についても批判的な視座を与えてくれる。とくに、生活保護への攻撃がなぜ起こるのかについての理論的考察(244~245ページ)は重要。2013/06/23
みのさん
0
よし2013/06/10