死の自己決定権のゆくえ―尊厳死・「無益な治療」論、臓器移植

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死の自己決定権のゆくえ―尊厳死・「無益な治療」論、臓器移植

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  • サイズ B6判/ページ数 229p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784272360697
  • NDC分類 490.15
  • Cコード C0036

出版社内容情報

尊厳死とその制度化の問題点を考え、世界各国で安楽死・自殺幇助・治療の強制終了などが合法化されている驚くべき事実を告発する。

無駄な延命を拒否する尊厳死とその制度化の問題点を考え、安楽死・自殺幇助・医師による一方的な治療の停止などの合法化によって、死の自己決定権がはく奪され、「いのちの選別」がすすめられている世界各国の驚くべき事実を告発。

はじめに

第1章 死の自己決定権をめぐる議論
 1 日本の尊厳死議論
  ●良い死に方●尊厳死法案●尊厳死が法制化されることの意味●自由な選択の保障●ガイドライン●医療費削減のねらい?●終末期の定義●すべり坂●本当の願い●「なぜ日本ではできないのか」
  2 安楽死・自殺幇助が合法化された国や地域
  ●PAS=医師による自殺幇助●スイス●オレゴン州、ワシントン州●オランダ●ベルギー●英国●免罪符となる介護実績●「社会で支える」視点の欠落

第2章 「無益な治療」論と死の決定権
  1 医療側の決定権
  ●「無益な治療」とは何か●ゴンザレス事件とテキサスの事前指示法●「無益な治療」論をめぐる議論●一方的DNR指定●看取りプロトコルの機械的適用問題●医師が慣れれば例外はルーティーンになる●コスト論と共に拡大する対象者の範囲●「どうせ」の共有を広げていく生命倫理学者らの問い
  2 「意識がある」ことの発見
  ●ザック・ダンラップ●??可逆的脳死報告?=怎Xティーブン・ソープ●相次ぐ睡眠剤による「覚醒」事例●オウェンによる植物状態患者の意識の発見●「意識があると証明できない」は「意識がないと証明された」ではない●「分かっていない人」を「分かっている人」に変えるもの●「窓を閉じて立ち去ってしまおう」との提案
  3 それは臓器移植へとつながっていく
  ●ナヴァロ事件●ケイリー事件●心臓死後臓器提供(DCD)●デンバー子ども病院の「75秒観察プロトコル」論争●小児の脳死判定、14項目すべて満たしたのはたった一人●臓器提供安楽死

第3章 いのちの選別と人間の尊厳
  1 科学万能主義とグローバル経済
  ●科学、テクノロジーと結びつく市場経済●??コントロール幻想?≠ニ差別の再生産
  2 医療と障害のある人びと
  ●私たち親子の体験●マークとマーティンの『無関心による死』●米国NDRN『障害者の市民権を侵す医療』●「暗黙のパーソン論」と無関心●医療と患者のあいだの溝●二者択一の議論が取りこぼしていくもの●認知症の人に関心を向け、理解するアプローチ●こういう約束をしてくれる医療を受けたい●本当の「自己決定」ができるための英から●弱者の権利を守るための仕組み
  3 社会で支えるという視点
  ●介護支援●「死の自己選択」は通苦の責を患者に負わせ、社会を免責する●「どのような社会であろうとするのか」という問題
  4 いのちへの畏怖と祈り
  
おわりに
資料 尊厳死法案

【著者紹介】
1956年生まれ、翻訳・著述業。長女に重症心身障害がある(現在25歳)。主な著書 『アシュリー事件 メディカル・コントロールと新・優生思想の時代』(生活書院)、『海のいる風景 重症心身障害のある子どもの親であるということ』(生活書院)。

内容説明

安楽死、自殺幇助、治療の強制終了…世界中で合法化がすすむ戦慄の事実。

目次

第1章 死の自己決定権をめぐる議論(日本の尊厳死議論;安楽死・自殺幇助が合法化された国や地域)
第2章 「無益な治療」論と死の決定権(医療側の決定権;「意識がある」ことの発見;それは臓器移植へとつながっていく)
第3章 いのちの選別と人間の尊厳(科学万能主義とグローバル経済;医療と障害のある人びと;社会で支えるという視点;いのちへの畏怖と祈り)
資料 尊厳死法案

著者等紹介

児玉真美[コダママミ]
1956年生まれ。京都大学卒業。米国カンザス大学にてマスター取得。英語の教師(高校、大学)として勤務の後、現在、翻訳・著述業。長女に重症心身障害がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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樋口佳之

41
どんなに科学とテクノロジーが発達したとしても、人が生きるということは、常にAでもBでもない両極のあいだのどこかを、不確かなことに囲まれたまま右往左往することでしかないんじゃないだろうか。かけがえのないものも、希望も、生きることの豊かさも、その右往左往の中にしか見いだせないものではないだろうか。/元々脳死について批判的なのですが、かなりショッキングな事実が報告されています。少なくとも人権という視点を重んじる国においてこうなのか。2020/07/29

Miyoshi Hirotaka

30
獣だが、獣でないのがペット。男だが、男でないのがゲイ。ペットにもゲイにも無関心な人には殺処分やLGBTはどうでもよい問題。しかし、「どちらでもあるが、どちらでもない」という判断や選択に直面した時、私たちの価値観は挑戦を受ける。死の自己決定もこれに似ている。反応がなくなっても生きている限りは、かけがえのない人。一方、無意味な生を避け、有意義で幸せな死を迎えたいと願う。医学の発達で生や死はデザイン可能になった。しかし、仮に自己責任や効率重視の考え方を制御しなければ、医学が人間に向かって牙を剥く時代を招く。2019/11/19

とうゆ

24
◯人権の名の下に安楽死、尊厳死を合法化しようとする波が起きている。特に、欧米ではそれが顕著だ。だがこの動きは終末医療の発展を阻害し、人間を「生きていても仕方がない人」と「生きるべき人」に分けてしまう恐ろしさを持っている。欧米における尊厳死や安楽死、脳死などの事例が数多く紹介されているが、そのどれを読んでも薄ら寒さを感じるばかりである。命とは何なのかを考えるためにも、多くの人に読んで貰いたい本だった。2015/12/15

やまやま

18
懸命に生きていたいという願いを支える社会であってほしいという主張はよくわかり、障害者の娘さんと本当に多くの苦労をされてきたと胸を打ちます。医療の問題としては、医師と患者は対等ではないという構造があり、受けられる医療の改善は、誠実で技術の高い医師と巡り会える確率を上げるくらいしか対応策はないのではと悲観的になります。死にたくないのに死んだ、ということのないようにする社会的配慮が行き届いているか、という点で、尊厳死派と著者は価値観がすれ違っていますが、変な医療措置で「生かされている」のも課題と感じました。2020/08/15

evifrei

11
尊厳死・安楽死を中心に生命倫理の在り方を問う。いのちの選別と人間の尊厳という章においては、重症心身障害者を娘とする著者自身の体験が語られる。柔らかく読みやすい文体だが、英米の尊厳死や安楽死に関わる事例がかなりの量で紹介されている。諸外国では尊厳死等がどの様に問題視され、如何なる理解が示されているのかという情報量は濃い。何らかの価値判断を形成するには情報量は必須なので、そういう意味でも良書だろう。個人的には、もうすぐ命を終えるという事は、既に命を終えているという事を意味する訳ではないという印象を強めた。2019/10/17

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