出版社内容情報
近年注目を集めつつある「デートDV」について、実践的な観点から問題を整理・分析。また、従来のDV論に欠落していた「恋愛観」に関する考察を重視し、新しい恋愛像を提示する。教育者、研究者らにとって、恰好のテキスト。
内容説明
これまでのデートDV防止教育には大きな意義があるが、問題点もある。本書はデートDV防止教育の発展を願う立場から、従来の防止教育の問題点を指摘し、防止教育の内容と進めかたについて積極的に提案をおこなう。DVをもたらす原因として“恋愛観”を重視していることが、本書の最大の特徴である。
目次
はじめに―デートDV防止教育の充実に向けて
第1章 デートDV防止教育の意義
第2章 従来のデートDV防止教育の問題点と課題
第3章 デートDV防止教育に必要な“恋愛論”
第4章 通説を超えるDV把握へ
第5章 デートDVではない関係性―シングル単位的恋愛とは?
著者等紹介
伊田広行[イダヒロユキ]
1958年生まれ。立命館大学非常勤講師、日本女性学会会員、デートDV防止教育ファシリテーター(アウェア認定)、「ユニオンぼちぼち」執行委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ybhkr
4
どこまでが愛情でどこからが暴力か。恋愛なんて一種の熱病や共依存的な部分がないと成り立たない気もするし、ここまで個人であることが求められるならば恋愛の意味がむずかしい。友達同士の間にもある意味DV的なことが起こり得るよね、この理論だと。例に出したのがラストフレンズだったけど、あれはちょっと異常すぎるからなあ。不快なことを不快と言えない状態がDVというのはわかるし、今までの日本の状況を考えるとジェンダー教育は大事。女性から男性への肉体的DVは全体の0.5%あとは逆。逃げ時を示唆する意味で一読の価値はあるかも。2015/12/11
neimu
2
カウンセラーや教育者の卵は是非読んで欲しい内容。出来ればもう少し易しく編集し直して小中高生に読ませるべきだろう。恋愛に誤ったイメージを持つ以前に、無意識の内に暴力に支配され、自己肯定感を持てず、依存と自立の区別も付かなくなる前に、知っておくべき知識の一つとして、学校や図書館に簡易本を常備して欲しい。2011/01/22
Akio Kudo
1
★★ デートDVには見につまされることも多いが、定義が曖昧で主観による部分が多いことに疑問を拭えない。2018/10/14
Miki Shimizu
1
カップル最高!二人はずっと一緒!という考え方がヤバいということを、具体例あげまくりで書いた本。カップルでも秘密は持っていいよ。とか、1人が別れたいと言ったらすがりつく権利はないとか、なるほどなーって本。被害者向けというより、ファシリテーター向け。授業する前に読みたい本。2015/08/25
春猫
0
現在出されている理論が解決できていない点を指摘していた印象が強い本だった。私もだが被害者・加害者(仮に)の当事者には「軽いものなら加害者になってもきちんと学べばやり直せる」の節だけが大切で、他のところはとても困っている最中に読む必要は感じなかった。2015/06/25