内容説明
私たちはいま、静かに怒りを燃やす東北の鬼です。「9・19さようなら原発集会」で6万人に感動をよびインターネット上にさざ波のように広がった決意と希望のメッセージ。
著者等紹介
武藤類子[ムトウルイコ]
1953年生まれ。版下職人、養護学校教員を経て2003年里山喫茶「燦」を開く。チェルノブイリ事故以来原発反対運動に携わり、2011年は「ハイロアクション福島原発40年」として活動を予定していた。福島第一原発事故発生以来、住民や避難者の人権と健康を守るための活動に奔走している
森住卓[モリズミタカシ]
1951年生まれ。フォトジャーナリストとして世界各地の核汚染を取材。福島第一原発事故発生直後から原発付近に入り、その後も飯舘村などで取材を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリー
79
力強いメッセージに心が大きく揺さぶられた。共読となった方とは、じっくり語り合いたい。しかし、残念ながら登録者数はとても少ない。私はこう思いました。この本は、あの日の出来事(福島原発事故)を風化させないためにとか、忘れないためにとか、伝えるためとか、それだけのために読む本ではないと。あの日以前から、あの日を契機に、私はどう考え、どう行動してきたか、事実から目をそらさなかったか、誰かに考えることをゆだねてはいなかったか、誤解を恐れずに言えば、私達は誰かに騙されていないか、それを問われた気がするのだ。考えよう。2021/05/08
みねたか@
32
モリ―さんのレビューで知った本書。冒頭掲載の2011年9月「さよなら原発五万人集会」における「福島からのアピール」。コロナの大きなうねりの中でいつしか忘れかけているあの頃のざらざらした不安が蘇る。「毎日、毎日、否応なく迫られる決断。逃げる、逃げない。食べる、食べない。・・」被災者の不安はいかばかりだったことだろう。「私たちは、なにげなく差し込むコンセントのむこう側の世界を想像しなければなりません。」という言葉。脱炭素の大きな潮流の中でこそ自問しなければならない。2022/01/21
たまきら
32
読み友さんから。まず冒頭のスピーチ文章に感動しました。早速Youtubeを見ました(ありがたいなあ)。当時妊娠中だった自分は自分だけで精いっぱいで、夫がかわりに怒り、活動してくれました。この本のことは未読で非常に感銘を受けたようです。森の中でのんびり、生きたい。電気は太陽光パネル一個で余裕だし。…そういう生活を望む人間にとって、その場を奪われることは本当に殺されるようなもの。数の政治は、いつも利益を生産するわけではありません。原発は日本の自然環境に合わない。方向転換できる、理の政治を、今こそ。秀逸。2021/05/11
hatagi59
3
福島の方の心の叫びの一端が知れる本。福島第一が危ないのは少なくとも2,3年前にはもう分かっていたのね。難しいのは経済との摺り合わせ。ウクライナでは国にお金がなくて、医療を整えられなかったという。やはり国益である生命、財産、日本文化を守る為の経済力は絶対必要だと思う。その上で原発とどう向き合っていくか。原則は廃止で良いとおもうが、廃止するまでに国益を損なわないような代替手段を見つけるか、だよな。2013/08/15
ちいさな図書館
3
何がいいとか悪いとか、正しいとか間違ってるとかじゃない。大切なのは、自分の頭で考えて考えて考え抜くこと。考えることをやめないこと。諦めないこと。工夫をすること。考える指針をくれた、力強いメッセージだった。2012/09/21
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