内容説明
本書では、ベトナム人共産主義者がフランス領インドシナという同じ植民地支配のもとにおかれたカンボジア人、ラオス人や、今日ではベトナムの少数民族とされている諸民族など、周辺の自らとは異質な人々との連携を形成するために格闘してきた歴史を検討する。
目次
序論 ベトナム人の伝統的「南国」意識とフランス領インドシナの出現(ベトナム人の「南国」意識;フランス領インドシナとベトナム人)
第1部 国際主義の時代(ベトナム共産党からインドシナ共産党へ;共産党と越北の諸民族;シャム在住ベトナム人共産主義者;ベトナム人共産主義者と華僑)
第2部 独立が現実となった時代(ベトナムの「復活」と八月革命;越北根拠地の形成;西北地方の八月革命;ラオスとカンボジアの1945年;中国との「友好の絆」としての華僑)
第3部 独立が輝いていた時代(世界の中の国民国家ベトナム;軍事的情勢の展開と軍の役割;民族政策の展開と土司;華僑・ヌン・ガイ)
第4部 国民国家の時代から「国際化」の時代へ(世界の中のベトナムと民族政策の展開;民族識別工作と華僑・華人問題;新しいインドシナ統合の試み;ベトナムの史学界とベトナム像)