内容説明
「地方の時代」の幕開け。21世紀の地方自治を展望する。
目次
近代的地方自治の歴史と限界(明治地方自治制の成立とその構造的特質;大正デモクラシーと地方自治の変容;昭和恐慌による地方財政危機と戦時地方制度の再編)
日本国憲法と地方自治および地方公務員(憲法原則としての地方自治;地方分権一括法の施行をどう考えるか;地方自治の公共性;地方公務員の役割・地位―「地方公務員の三面性または四面性」)
二一世紀への地方自治の展望―維持可能な社会(Sustainable Society)をもとめて(中央集権の二〇世紀の終焉―その歴史過程;新自由主義的改革と分権;分権一括法をこえて;土建自治体から地域福祉社会へ;維持可能な社会(Sustainable Society)と内発的発展)
著者等紹介
宮本憲一[ミヤモトケンイチ]
大阪市立大学名誉教授
室井力[ムロイツトム]
名古屋経済大学教授、名古屋大学名誉教授
大石嘉一郎[オオイシカイチロウ]
東京大学名誉教授、明治学院大学名誉教授
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感想・レビュー
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ゆう。
13
2001年初版。自治労連のシンポジウムを本にしたものですが、ほぼ書下ろしとなっています。地方自治が日本国憲法にどのように書き込まれ、実際はどこまで進んでいるのか、学ぶことのできる本だと思います。同時に、明治憲法下の地方自治では自由民権運動との関係で下からのものはありましたが、憲法上は保障されていなかったことが学べます。そして、今日の「地域主権」などの新自由主義的な論は、持続可能な地方自治論ではなく、福祉国家解体と深く結びついているのだと学ぶことができます。住民が主人公の地方自治を考えるうえで有意義でした。2014/12/18