目次
第1章 “Culture”―新たなる旅立ち
第2章 大学の理想像とはなにか―二つの大学論
第3章 反教養主義の思想的風土―実業の世界から大学まで
第4章 科学勢力の台頭
第5章 “教養主義”の成立、そして“文化”へ
第6章 “文化”とはなにか―論争の始まり
第7章 T.S.エリオットの文化論
第8章 科学vs.文学―文化論争(激突)
第9章 彷徨する“文化”、そして散乱・消滅
著者等紹介
荻野昌利[オギノマサトシ]
1933年生。横浜市出身。東京教育大学卒・同大学院修了(専攻英文学)。文学博士(名古屋大学)。南山大学・大学院教授、同大学名誉教授。日本英文学会会員・評議員・編集委員。日本ヴィクトリア朝文化研究学会理事・同会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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志村真幸
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タイトルがあまりに茫漠としており、半信半疑のまま読み始めたが、きわめて内容が濃く、説得的な一冊であった。 19世紀イギリスにおける「教養主義」が、科学や実学が比重を高めるにつれ、大学や社会において衰退を余儀なくされていく過程が見事に描き出されている。やがて20世紀に入ってからは、文化や教養を再評価するための戦いがくりひろげられるが、かんばしい成果を見ぬまま、現在の状況へ至る。 コールリッジ、ミル、ウェルズ、スタイナーらが材料となっており、透徹した視点から冷静に分析されていく。 2022/05/13